2019年6月20日(火)お茶の水クリスチャンセンターで第4回JEA国内災害対策フォーラムが行われました。この会合はJEA援助協力委員会によって3年前から年に一度行われ、昨年までは諸教団の担当者が参加し、交わり、情報交換し、災害支援を行っている教会ネットワークやキリスト教団体の担当者をお招きし、お話を伺っておりました。そして、今年は全国の教会ネットワークと支援団体の担当者も参加者として一堂に会し、昨年の西日本豪雨災害支援活動を振り返り、教会による支援の課題と今後の展望について共に考えました。
広島県呉市で教会ボランティアセンター長を務めた牧師は、その講演の中で課題として①日頃から被災時に教会はどのように対応するかを話し合い、防災ネットワークを作っておくこと、②ボランティアセンター開設について学び、その準備のための共通理解を持っておくこと、③食料などの備蓄と基金の準備を教会で行うことの3点を挙げられました。
また講演後のグループディスカッションでは、呉市の教会へいち早く駆けつけ支援した広島市内のある牧師からこのような話を聴きました。「初動でできるだけ早く被災地に入り、支援活動で信頼を得ていけば、社会福祉協議会や自治会などの会合や個人的な関わりの中で、人を慰め励まし導く働きができる。この働きの領域は広い。地域コミュニティが壊れないように支える宣教のわざ、地域を愛する務めがここにある。普段から教会内の交わりで、牧師と信徒、信徒間で互いの欠けや弱さを受けとめ赦し合う信頼関係を築くことが大事」
この話を聴いて私は、今後の災害に向けて教会にできる備えは、教会ネットワーク作りとともに、これまで教会が大事にしてきたことを続けることだと思いました。この教会が大事にしてきたこととは、キリストの福音によって「地域に遣わされていること、地域とともに生きること」です。この視点に立つと、普段私たちが週ごとに訪れる日曜日の礼拝に集い、みことばに聴き、聖餐に与り、主を賛美し、交わり、祝福の内に世へ遣わされて行く教会の歩みが、そのまま支援活動に向かう備えとなることが分かります。
この度のフォーラムでは災害支援の教会ネットワークが各地で立ち上げられていることが報告され、フォーラム後の集いで、全国レベルの災害支援教会ネットワークが立ち上げられました。また、災害支援キリスト教諸団体も、ボランティアセンター運営のマニュアルを作り、その実技講義を要望に応えて各地の教会で開催することとなりました。多様化している災害の発生に向けて、「教会から教会へ」祈りと支援の手がさらに重ねられています。私たちも、いつ被災地になるとも知れない地域に遣わされている教会、その地域とともに生きる教会として、教会の本質を大事にしつつ、祈りの内に出て行き、みなが喜びに生かされる神の国の完成に向けて仕えていきましょう。