日本同盟基督教団諸教会の教師、役員各位
2020 年2 月28 日
【追記/3月4日付】【追記/3月27日付】
教団理事会 社会局長 藤田 敦
主の御名をあがめます。
新型コロナウイルスによる肺炎の報道で、社会は騒然としています。諸教会におかれても、すでに祈りと配慮をしておられることと存じます。
一方致死率について言えば、SARSは9%、MERSは30%でしたが、新型コロナウイルス肺炎による中国湖北省以外の致死率は0.2%と報じられています。日本では毎年インフルエンザで3,000 人超の死者が出ていることも合わせて考えますと、冷静・的確に対処したく存じます。
ここに信仰的な意味で覚えたい視点、教会として考慮したい点を簡潔にお知らせします。
なお、より具体的で詳しい感染防止方法などは各教会にて調査、検討をした上で、対応をお願いいたします。
1.教会の自律
キリスト者が主日に神を礼拝するために集まる。これは教会そのものと言えるでしょう。また教会学校や祈祷会、役員会と教会堂には人が集まります。一方、ウイルスの飛沫感染・接触感染を避けるには他の人と接しないことです。両者はどうしても相対することとなり、教会での対応を熟慮する必要が生じます。
その際、教会の自律と言うことを覚えましょう。これは感染症に限らず、大災害や緊急の事態が起きた時、その他何事においても問われることです。教会が何をして何をしないか、その判断を国や地方自治体に委ねてはいけません。他者や他の力によって神の教会の行動は定められるのではなく、教会が聖書の権威に立ち、神の前において自律的に判断し行動することです。
2.考慮すべきこと〔専門家会議の見解を受けて〕
新型コロナウイルスは、空気感染するインフルエンザと異なり、接触感染・飛沫感染ですから、適切に対処すれば感染を効果的に防止できます。
(1) 感染拡大のリスクが高い行動パターン
① 対面で人と人との距離が近い接触(互いに手を伸ばしたら届く距離)
② 会話などが一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされるような環境
† 礼拝での立ち位置や所作などの工夫が考えられます。また、諸会合について開催の是非を検討する判断材料となるでしょう。
† 手洗いやマスク利用、ドアノブ・手すりの消毒や換気などを考慮しましょう。
† 咳エチケットや手洗いの方法などは具体的に広報しましょう。
† 無症状や軽症の人でも感染を広げる例がある。これが対策の難しい点だと心得て対応を考えましょう。
(2) 風邪や発熱などが出た場合
① 37.5℃以上の発熱が4 日以上(高齢者や基礎疾患のある人は2 日以上)続く。(解熱剤を飲み続けなければならないときを含む)
② 強いだるさや息苦しさがある上記①もしくは②の場合、都道府県の「帰国者・接触者相談センター」に相談する。
† 教会員やその家族、近隣住民、学校や事業所などに、感染者および感染の可能性がある人が出た場合、教会がどう対応するかを具体的に考えておきましょう。
† 感染者とその家族、関係者を支援する方法についても検討しておきましょう。
【追記/3月4日付】(2020年3月4日 朝日新聞)
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は3日の記者会見で、新型コロナウイルスの特徴について、中国で得たデータを踏まえ、季節性インフルエンザと比べて感染力は高くないとの見解を明らかにした。一方で重症化する患者はより多く、致死率は3・4%とインフルエンザより高いとも指摘した。
【追記/3月27日付】
(1) 本文の「新型コロナウイルスは、空気感染するインフルエンザと異なり、接触感染・飛沫感染ですから、適切に対処すれば感染を効果的に防止できます。」について、あたかも「インフルエンザに比べて防ぎやすい」との誤解が生じると指摘をいただきました。また「感染経路はインフルエンザとほぼ同じ」とのご指摘でした。
(2) 改めて本文を精査しましたところ、空気感染する感染症は結核、水痘、麻疹の3 つとされていること、インフルエンザの空気感染については「新型インフルエンザ」について厚生労働省が、「空気感染の可能性は否定できないものの一般的に起きるとする科学的根拠はない」としていることが判明しました。
(3) 本文が不正確でしたので次のように訂正ください。
「新型コロナウィルスは、季節性インフルエンザと同じく接触感染・飛沫感染と考えられており、適切に対処すれば感染を効果的に防止できます。」
(4) 新型コロナウィルスに関する情報は、日々新たな知見が加わっています。皆様におかれましては、最新の情報を得るように努めてくださいますようお願いいたします。
(以上)