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日本同盟基督教団 教団事務所 

社会局 「となり人」について

「となり人」について
社会局局長 山村諭(茅ヶ崎同盟教会牧師)

この度、理事として社会局を担当することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。社会局には、社会厚生部、「教会と国家」委員会、人格尊厳委員会があります。この中で社会厚生部は、教師の福祉・厚生に関わる啓発、支援制度の管理運営、災害救援の啓発、支援活動の推進などを担当しています。教師及び引退教師の生活に関わることから、広域災害対策および支援活動の推進まで、その担当領域は広範におよびます。
福祉・厚生から災害援助まで、一見すると性質の異なる分野の課題を1つの部が担当していることには何らかの経緯があるものと思いますが、個人的には「となり人」という社会厚生部だよりのタイトルが、広範な担当領域を包括する重要な視点なのだと考えています。「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」(マタイ22 章39節)と教えられた主イエスは、よきサマリア人のたとえにおいては、だれが隣人になったのかを問われました(ルカ10章36節)。「となり人」を愛することは、「となり人」となることと結びあっています。教会教職者の社会厚生も災害援助活動も、「となり人」を意識することなしには果たすことのできない働きです。
この原稿を書いている4月1日の時点で、新型コロナウイルスの急速な感染拡大の状況を受けて、筆者が仕える教会では、棕櫚の主日とイースターには一つ所に集まる礼拝を行わないという決断をしています。おそらくこの状況がしばらく続くという見通しの中で様々な対応をしながら、「となり人」を執筆しています。どのような対応が正解かもわからない中ですが、重要な判断基準としたのは「隣人を愛する」ということです。教会の兄弟姉妹、地域の方々の命を守り、愛するあり方として何がふさわしいかを問われています。
この紙面が読者のもとに届く6月には果たして事態が収束しているのか、全く予想もつきません。このような状況が長期化しているならば、諸教会の財政状況も厳しさを増すことが予想され、教職者の生活も大きな影響を受けてくることでしょう。教団が運用する教会教職のための諸制度を適切に維持できるのかという課題もあります。
昨年度の調査に基づき発行された「教師の経済面における実態調査報告書」(2020年2月)には、教師の福利厚生面での課題を少しでも前進させようと5つの提言がなされています。「となり人」となったサマリア人が旅人に示したあわれみは、瀕死の旅人の必要に応え、いのちを守り、助け、支える具体的な行いでした。愛は具体的なのだと教えられます。課題を少しでも前進させる「となり人」となることをご一緒に考えて参りましょう。

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