「私は福音のためにあらゆることをしています。私も福音の恵みをともに受ける者となるためです」Ⅰコリント9章23節
この春、「おかえりなさい」と伝道部に迎えられました。過去10年(1998年〜2008年)伝道部員として奉仕していたからです。10数年の歳月が経ちましたが、再び伝道部での奉仕が与えられました。私が伝道部員であった2003年に『福音を満たすために』という教団レベル開拓25周年記念誌を発刊しました。この本の存在を知らない人もあるかもしれません。(教団事務所に在庫があります)。当時この本の編集長として奉仕したこともあってか、私の心には深く刻まれている一冊です。同盟基督教団の具体的な宣教の事実とそのスピリットを知ることができます。それは国内に留まるものではありません。
今日、日本宣教の現実は明るくありません。何か変わらなければならないと感じていても、変わることができていない現実も認めざるを得ません。しかし、今、感染症が広がり人の力ではどうにもならない事態になり、生活様式さえも変えざるを得ない中に世界中がおかれています。この危機は、閉塞感で満ちていた宣教の課題に穴が開く時であると思います。教会で仕えていて、パウロの「福音のためにあらゆることをする」という言葉が響いてきます。「この状況で何ができるだろうか?」「どうしたら主イエスの福音を伝えることができるだろうか?」と、毎日毎日考え祈り続けています。今は、積極的な伝道どころか、主日礼拝を会堂でささげることすら自由にならない状況です。「教会に来てください」との声もかけにくいのです。私は、3月頃は「宣教の妨げを取り除いてください」と祈っていましたが、ある時から「この時をもって宣教の門を開いてください」とも祈るようになりました。この危機は、宣教の在り方が問われていると気づいたからです。
教団レベル開拓伝道は1977年に始まり、「25年」で「10教会」が生み出されました。その後、宣教区開拓も始められて今日までに10県に教会が生まれ加えられました。これからのことを思うと、「50年」の「2027年」はひとつの節目と言えるでしょう。それまでに、残りの未設置県4県の開拓と数年来の課題である都市伝道開拓が始められたらと願うものです。「一億二千万宣教」を本気で視野にいれて以来、同盟教団は「全県に同盟の教会を!」「点から線へ」「線から面へ」と掲げるようになりました。それが道であると示されたからでしょう。今日も、私たちの宣教の先頭には十字架にかかりよみがえられた主イエスがおられます。宣教の主から目を離さずに、共に主の御声に聴き従いたいと思います。