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日本同盟基督教団 教団事務所 

新式文の解説①

新式文の解説①
新しい式文に向けて
式文委員長 山口契(金沢中央教会牧師)

この度、日本同盟基督教団の式文を全面改訂することになりました。といっても多くの方はあまりなじみのないものと感じるかもしれません。しかし洗礼式や聖餐式から結婚式や葬儀など、さまざまな場面で式文が用いられていますので、きっと耳にしたことがあるはずです。
現行のものは1983年の発行で、同盟基督教団だけでなく広く日本の教会で用いられてきました。しかし40年近く経ち、教団の体制にも変化があり、言葉や内容の面で時代に合った、分かりやすい式文が求められていました。そのような中で式文委員会が立ち上げられ、ついに昨年、第1次草案が各教師に向けて配布されました。まだ完成ではありませんが、この新しい式文について、世の光の紙面をお借りして何回かに分けて説明させていただきます。
初回の今回は、新式文作成の基本方針についてです。式文委員会では新たな式文草案を作成するにあたり、以下の4点を基本方針としました。「教会で用いやすい式文とする」、「改訂後の教憲教規に対応する式文とする」、「新たな提案を採り入れた式文とする」、「公的な指針となる式文とする」。

①教会で用いやすい式文とする
今回の式文作成にあたっては「教会で用いやすい式文」を目指しています。全体的に分かりやすい表現を心がけ、引用聖書は『新改訳2017』を採用しました。「主の祈り」、「十戒」、「使徒信条」は従来の文語体に加えて口語体のものを入れています。また実際に教会と信徒の実生活に即して式文が必要とされる場面を考え、病床や訪問での洗礼や聖餐の式文、子ども、成人、敬老祝福式の式文を設けたほか、葬儀に関するものでは未信者の場合の式文を加えています。式に参加している方々が、式文を通じて式の意味を理解し、そこで注がれる主の恵みを受け取ることができるよう願っています。
また別冊で、『祈祷文例』をまとめる計画があります。そこには、牧師だけでなく役員や信徒の方が様々な場面で活用できる祈りを収録する予定です。

②改訂後の教憲教規に対応する式文とする
2013年の教憲教規改訂によって、従来の補教師の意味づけや教会の種別が変更されました。これを受け、関連諸式が執り行われる際には現行式文の一部読み替えの必要が生じていました。そこで今回の式文では改訂後の教憲教規に対応したものを準備しました。

③新たな提案を採り入れた式文とする
今回の式文草案作成にあたっては、新たな提案を採り入れています。第一章の「礼拝」では「主の祈り」、「十戒」、「使徒信条」に加えて近年キリスト教会においてその意義が再確認されている公同信条の「ニカイア・コンスタンティノポリス信条」を加えたほか、礼拝における「派遣のことば」、「祝福」や教団信仰告白を加えています。また、幼児洗礼の式文を新たに掲載することにしました。これらは諸教会の主体的な判断を尊重するため、いくつかの選択肢を提示するという基本方針に基づいています。

④公的な指針となる式文とする
現在、教団における式文の位置づけは必ずしも明確な規範性を持つものでありません。しかし実際に教師の任職や洗礼・転入会の際の誓約は、違反の際に戒規執行と結びつく重い意味を持つものですから、広く諸教会において公的な指針となるものが望ましいと考えています。そこで新たな式文が完成した折には「これをもって同盟基督教団の式文とする」旨の教団総会での承認を得たいと願っています。

おわりに
現行式文のあとがきには「日本同盟基督教団は、聖書信仰に立ち、聖書の教える基本的な信仰を告白してきましたので、この式文が福音的諸教会の教会形成に広く貢献できるようにと祈っています」とあり、実際に私たちの教団のみならず、福音派の諸教団で幅広く用いられてきました。当委員会でもこの祈りを引き継ぎ、御言葉に立つ福音的教会の形成、また各地に建てられている諸教会の益となることを願っています。

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