クリスマスメッセージ　人となられた神の臨在の恵みを求めて

クリスマスメッセージ

人となられた神の臨在の恵みを求めて

中谷美津雄（生駒めぐみ教会牧師）

「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。」（ヨハネ1章14節）

クリスマスおめでとうございます。コロナ禍で教会の活動が大きく変わり、その本質が問われているように感じます。1日も早くコロナが終息して、教会の本質にかかわる礼拝や伝道、主にある交わりの豊かさが回復されるように祈ります。

ことばなる神
「初めにことばがあった」と、ヨハネは福音書を世界が始まる前から書き出します。背景に創世記1章1節の荘重な重奏低音を響かせながら、永遠の存在者であり、すべてのものの創造者であることばなる神がおられることを告げ、いのちの源であり、人の光であるこの方が闇の中に輝くまことの光として、すべての人を照らすために世に来ようとしていたと記します。
この方を知らず受け入れようとしない人々が大勢いる中で、この方を受け入れ信じた人は神の子どもとされるという福音のメッセージを挟み、私たちに信仰の心備えをさせて、序奏をそのクライマックスへと巧みに導いています。

人となられたことばなる神
「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。」
ファンファーレの高鳴りが聞こえるかのようにして、ヨハネはクリスマスのメッセージを告げました。
マタイとルカは預言されていた処女降誕の成就としてのイエス・キリストの誕生を語りますが、ヨハネは永遠の霊的存在者であることばなる神の受肉の不思議を告げました。
この方こそが恵みとまことを実現されたイエス・キリスト、父のふところにおられて神を説き明かされたひとり子の神だと語り、この方のことばとみわざに道を開いて、静かに序奏の役割を終えるのです。

人々の間に住まわれる神
私たちが神の子となる特権はこの方との一対一の関係で信じることによって個人的にいただく恵みです。私たちは数えきれないほどたくさんの恵みをいただいて生きていますが、福音によって受ける恵みは他のどんな恵みにも換えられないほど大きな恵みで、罪の赦しと永遠のいのち、救いの喜びをもたらします。私たちはこれを個人的に受け取るのです。更に、個人を越えて兄弟姉妹が共に受ける恵みも数多くあります。
受肉して「私たちの間に住まわれた」神の栄光を「私たちは…見た」と記した後、ヨハネは本題に移り、彼が見たイエス・キリストの栄光、恵みとまことの詳細を書きました。
人となられた神が私たちの間に住んでおられるご臨在の恵みと祝福は、ヨハネたちだけにとどまらず、今も私たちの間に現されています。兄弟姉妹の集まりや親しい交わりの中で、礼拝や祈祷会で共に献げる祈りと賛美の中で、福音の宣教や神の教会を建て上げる奉仕の中で、私たちも確かな恵みを味わわせていただくのです。

信仰の目を開かれて
人となられて私たちの間に住まわれた神の栄光を見た恵みをヨハネは力強く語りましたが、そうでなかった人のことも落ち度なく書いています。
何が両者を光と闇に分けたのでしょうか。それは信仰です。とは言え、その信仰ですら、自分で持てるわけではありません。信じたいと願いながら、なかなか決断がつかない人は、祈ることです。恵みとまことに満ちた神さまは真剣な祈りに必ず応えて、あなたを信じる決断に導いてくださるに違いありません。
興味深いことに、信仰によって神の子とされると述べた直後にヨハネは書きました。「この人々は、血によってではなく、肉の望むところでも人の意志によってでもなく、ただ、神によって生まれたのである。」（13節）。神の子とされる恵みを受ける信仰も、実は神の恵みによっていただくのだと言うのです。それはヨハネの実体験かも知れませんね。クリスマスの良い機会に、感謝して謙虚に祈り求め、救いの恵みに与りましょう。
人となられた神の臨在の恵みが皆さま方お一人おひとりと、又、皆さまの教会の礼拝や祈祷会を始め、種々の集まりと交わりや奉仕と共にあり、良いクリスマスを過ごされますように。