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日本同盟基督教団 教団事務所 

東北宣教プロジェクトニュース「距離の隔たりを超えて」

東北宣教プロジェクトニュース
「距離の隔たりを超えて」
西村敬憲(西大寺キリスト教会牧師)

岡山は福島から1000キロ離れています。震災の日もわずかな揺れが観測されたようですが、ほとんど感じた人はいなかったようです。私がチャーチスクールの生徒の書類を小学校に届けに行くと職員室で先生方がテレビの前に集まっていました。肩越しに見たものは、津波が町を呑み込む光景でした。
福島との県境に住んでいた両親は無事でしたが、眼下の漁港一帯は津波の直撃を受けました。それでも、駆け付けるすべもなく、やっと8月に訪ねた時に、増井恵先生に被災地を
一日かけて案内していただきました。家々の土台だけが残る荒涼とした海岸沿いの町や校庭いっぱいの瓦礫の山に呆然としました。
そのころには、宣教大会の委員会も再開され、東京の往復も始まりました。駅もビルの中も薄暗い中で過ごし岡山に帰ると、東京の重苦しい緊迫感が見当たらない、違和感を抱え続けました。
それは、この距離の大きさが横たわっていたからです。それでも教会からは数名の方がボランティアに参加し、また休学して岩手で活動をする学生もありました。帰ってきてから教会学校でも話してもらうと、子どもたちにも伝わるものがあったようです。距離の大きさは、教会のもつ交わりがそれを超えてつないでいると思いました。
それから7年後の西日本豪雨の時には、冠水で遮断された道を避けながらやっとのことで空港にたどり着き、青年部のイベントにお茶の水へ向かいました。東京に着いてから、変わり果てた岡山の映像を見ました。現地と連絡を取り緊張を抱えながら、依頼教会に向かいました。この緊張感を伝えようとしても、どうしてももどかしさが残りました。
しかし、そのあと教会関係者から派遣されたボランティアに、東京方面から駆け付けてくださる方があり、暑さの中を一緒に泥と格闘しました。教会の交わりを改めて実感しました。
東北宣教プロジェクトへの支援も、同じように、距離の隔たりが横たわっています。それにもかかわらず、このニュースが読まれ、支援がささげられ続けているのは、教会の交わりにともに生きているという思いが、教会の方々にあるからだと思います。当教会の執事会では「広域伝道部門」の働きの中で継続しています。小さな支援ですが、これからもこの交わりに加わらせていただければと願っています。

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