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日本同盟基督教団 教団事務所 

「開拓は必要か」

国内宣教 「開拓は必要か」

伝道部部長 大瀧恵理也(小平聖書キリスト教会牧師)

あなたがたは、『まだ四か月あって、それから刈り入れだ』と言ってはいませんか。しかし、あなたがたに言います。目を上げて畑を見なさい。色づいて、刈り入れるばかりになっています。」ヨハネの福音書4章35節

 伝道部は、一九七七年に教団内に設けられました。皆さんの教会にも「伝道部」という名前の部署があり、伝道集会や宣教の働きの担当をしておられることもあるでしょう。しかし、教団の伝道部の場合、託されてきた役割は発足以来シンプルであり、一つです。それは、新しい教会をスタートさせることです。「教会開拓」と言います。
伝道部の発足とともに、高崎で教会開拓がなされ、続いて九州の小倉、広島、京都、千葉、高松、北海道、福岡、仙台、愛媛、盛岡、宮崎、山形、熊本、鹿児島、おととしは佐賀に新しい教会が開拓されました。これらすべては教団諸教会の皆さんのお祈りと、信仰をもって献げられた「国内宣教献金」のみで行われてきました。また、伝道部は宣教区の教会開拓への支援にも仕えています。
しかし「開拓」は果たして必要なのでしょうか。「通っている教会にまだ座れる席がある」、「今ある教会を大きくすることが大切」、「今ある教会で伝道すればいい」。その通りだと思います。今ある教会を通して、地域の方々、自分の家族、友だち、つながりのある方々に福音が届けられ、救われる方々が起こされることはとても大切なことです。教会は、祈りつつ置かれているところで、福音を届ける種まきが不可欠です。
けれどもその上で、目を上げるよう招かれている、もう一つの景色があることを、冒頭の主のことばから示されるのです。ユダヤ人の視野から外されていたのがサマリア地方でした。しかし、そこに刈り入れを待つ魂が沢山いることをイエスさまは見つめておられたのです。
例えば、教会に初めて子どもたちが集うのは、電車やバスに乗ってよりも、徒歩や自転車によるでしょう。ご高齢の方もふらっと寄るには、やはり歩いて集える教会が必要ではないでしょうか。教会数と人口を比較した統計によれば、その割合は地方も都市部もあまり変わりません。実は、意識しにくいことですが、教会が近くにない地域は日本のそこかしこにあるのです。
だからこそ、イエス様が人となってこの世に来て下さったように、今までなかったその地域に教会があることが伝道となります。99%の方々が福音を信じてはいないこの日本では、教会を開拓することで伝道する「開拓伝道」が今も必要です。そして一教師、一教会では難しいからこそ、主にある「宣教協力」をもって「開拓伝道」のためにも祈り、仕えるようにと私たちは招かれているのです。主は言われます。「目を上げて畑を見なさい」と。

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