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日本同盟基督教団 教団事務所 

宣教の主イエス・キリストを見上げ 伝道局局長 三浦陽子

宣教の主イエス・キリストを見上げ

伝道局局長 三浦陽子(安中聖書教会牧師)

「どうして怖がるのですか。まだ信仰がないのですか」(マルコ4章40節)

 今年は教団総会で理事の改選があり、新しい部局が編成され5月には特別会議がもたれました。特別会議とは、新理事会と各部委員会の長が集まり開催される会議です。今回のテーマは「これからの宣教を考える~10年後、20年後の教団の姿」でした。この会議では、教団のこれからの宣教を考える中で、「局部」の在り方の変化を視野に入れて、部長・委員長が各3分で「各部・委員会の務め・目的・課題の分かち合い」を発表する時がもたれました。それは各部・委員会の存在の意味を確かめ、重荷を分かち合う時となりました。長いこと教師をしていても、自分が奉仕したことのある部局以外のことは知らないことが多いものです。今日の局・部は、教団の歴史の中で、少しずつ拡がりや深みをもつようになってきたと言えます。ですから、最初から今のような形だったわけではありません。先人たちが考え祈り、必要に応じて決断し、主の導きの中にある今の姿と言えます。
その主の導きを尊重しつつ、これまでもそうであったように時代に即した変化が求められます。その改革においては必要なことは、なぜ今このような姿なのかを知ることです。なぜなら、このような姿にも教団の「宣教のスピリット」による決断が積み重ねられて来たからです。ですから、どの局・部も宣教的視点に立って、今の姿を顧みることが必要になります。また、部局にたずさわり、奉仕している者たちも宣教の働きとしての教団の仕組みを理解し、宣教の意識をもって奉仕することを確認することもまた大切なことでしょう。改革にあたっては、「宣教する教団」として宣教的視点が重要になると思います。
また、今回の特別会議では毎年諸教会から提出されている実情報告のデータから見る教団の姿から、これからの宣教の課題が共有されました。昨今、教団でも教会でもデータ収集や分析によるリサーチが増えました。データによって、客観的にこれからを見通すことができるように思えます。もちろんそういう面もあります。しかし、教団も教会もデータの分析だけを根拠に先に進むことはできません。なぜなら、私たちの主はみわざを行われるからです。過去・現在のデータや数字があっても、これからに対して主のみわざを期待する信仰が求められると思います。世界と日本の宣教のために、教団の中に教会の中に生ける主のお働きがあることを祈り求めることは、私たちの歩みです。データによる予測では、困難が伴うと思えたとしても、主の宣教の使命にお従いするこころで御霊の導きを祈り求め、信仰をもって主のみわざを期待して、決断することが大事であると思います。宣教の課題は、初代教会の時からありました。その中において、教会はいつも時代の声ではなく、神のみことばを聴き、信じて従って来ました。それゆえに、今、私たちの教会がありその地域に神の祝福が分け与えられていると思います。
主イエスのみこころを求め、主を待ち望むことこそ教会の姿です。嵐の中で、主イエスの弟子たちは不安に押しつぶされそうになり、「先生。私たちが死んでも、かまわないのですか」と叫んだその時、主イエスは風を叱り静まらせ、弟子たちに「どうして怖がるのですか。まだ信仰がないのですか」と言われました。今日も、吹き荒れる激しい突風や舟が沈みそうになる水を恐れるのではなく、私たちの舟には主が共に乗っておられることを見失わず、このお方は生きて奇跡をなさる権威と力の主であることに、改めて心を向けたいと思います。主の宣教の使命に生きるために、宣教の主イエス・キリストを見上げ、このお方に期待して心を合せて祈り、共に前進できたら幸いです。

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