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日本同盟基督教団 教団事務所 

主の山には備えがある 信徒理事 松本芳幸

主の山には備えがある

信徒理事 松本芳幸(高崎福音キリスト教会教会員)

「アブラハムは、その場所の名をアドナイ・イルエと呼んだ。今日も、『主の山には備えがある』と言われている。」
(創世記22章14節)

 先日、我が家の冷蔵庫が急に動かなくなりました。製造年月日を見ると、なんと20年前のものでした。さすがに古いなあと思い、買い換えましたが、それから2週間ほど経った頃、今度は2階のエアコンの利きが急に悪くなり、まだ買ってからさほど時間が経っていないのにと思い、製造年月日を見ると、なんと10年前のものでした。そう考えると、10年位だとあっという間に経ち、そしてこれからの10年もあっという間に過ぎていくのだと思わされました。
理事会に出ていますと色々な話が出てきますが、教会教師・教会員の高齢化が進んでおり、最近の10年位でその傾向が顕在化してきているようです。私の集う教会も私を含め高齢化が進んでいます。毎年チャペルコンサートやクリスマス・イースター・秋に行う歓迎礼拝など伝道の働きは継続できており、ノンクリスチャンの方も毎週、数名集っており感謝である一方で、教会員の平均年齢は徐々に上がっています。徐々にというのが曲者で、すぐに顕在化しないので、特になにもせずに時間が過ぎています。皆さんの教会はどうでしょうか。そして、これから10年があっという間に過ぎて、更に高齢化が進んでいるのではないかと思わされます。また、理事としての働きの中で、私は教師謝儀の実態調査を行っていますが、謝儀が教団財務部から出されている謝儀参考表とはかけ離れたケースも見られ、何か他に仕事をしないと経済的に厳しいと思われるケースがあります。これをどう改善できるのかは、とても難しい課題ですが、若い世代の教師志願を踏み止まらせる要因にもなりかねないのではないかと個人的には思います。
一方、高齢化の問題は教会に限らず、日本全体の問題です。私は、現在も企業で日々働いておりますが、ほんの数年前までは、仕事に教会奉仕に多くの時間を割き、家庭はあまり顧みず働いてきたように思います。昔はそういった人たちも多かったように思いますが、今や残業が当たり前のような会社だとブラック企業扱いされて若い人材は確保できません。企業は、労働人口の減少のなかで若い人材や女性人材を獲得するため、これまで以上に職場環境の改善を重視し、柔軟な就業時間や休暇取得の自由度、育児休暇、働くモチベーション向上を図る取り組み等を実施しています。そうでないと、職場の高齢化が進み、企業の競争力が失われていくためです。この世の企業でさえも、このように危機感をもって対応しているのですから、同盟基督教団としても危機感をもってどうしていくのか、祈り、議論し、対応策を打ち出していく必要があると思います。
私自身、長い信仰生活の中で、様々な困難や時には絶望するようなことも幾度かありました。特に50歳台のときは、会社での責任が増え、大きなストレスで精神的にも辛いことが多く、後で後輩から聞くと、あの頃は顔色もすごく悪かったそうで、全然クリスチャンとして輝いていない、証しにもならない時もありました。しかし、結果的には様々な困難もすべて解決し、何もなかったかのように恵みのうちに今を過ごしています。それは、神さまがあらゆることを通して解決の道を備えてくださり、信仰をもって歩ませていただけたからだと思うのです。そして、今も神さまは私と共におられ、あらゆることに解決の道を備えてくださると信じています。教師・信徒の高齢化についても解決の道が備えられていることを信じ、私ができることを一つひとつ取り組んで行きたいと思います。

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