前回は、自らの葬儀の準備をすることを記しました。今回は、自分の家族が召された時の備えをしましょう。前回言及しましたが、未信者の教会葬が諸教会において、あまり行われないのは、牧師も信徒のみなさんも、あまり積極的ではないからです。
しかし未信者のキリスト教式葬儀は可能です。日本のほとんどの教団の式文の中には、未信者のためのキリスト教葬儀式文があるのです。同盟基督教団の現式文の中にも、未信者のための葬儀式文はあるのです。ということは、未信者のキリスト教式葬儀が信仰上(教理上)あるいは教団規則上で不可能なのではないのです。
実際に式文内では、式辞や祈祷文に小さな違いがあるだけです。それはクリスチャンになったことや、教会生活をしたことや、天国の約束があることに言及しない点です。つまり特別恩恵に与かったことを感謝しないだけなのです。逆に言えば、罪や救いや、裁きや天国や地獄に言及しなくても、キリスト教式葬儀は通過儀礼として執り行うことが可能なのです。なぜなら未信者の故人は、特別恩恵にあずからなかったとしても、神に創造され神に許されて数十年の人生を、一般恩恵の中で生きた故人だからです。その恩恵を知って、心備えをしておけば、未信者の両親のキリスト教式葬儀も可能なのです。
でも未信者だった両親の葬儀を教会でやってもらうのは無理だと誤解していませんか。教会に来たことのない両親の葬儀では、牧師先生にご迷惑をかけるからお願いはできないと思うでしょうか。しかし振り返れば、未信者だった弟や妹の結婚式をしてもらった、長男や長女の幼児祝福式をしてもらったということがありませんか。同じように、未信者の両親とも、キリスト教式葬義の可能性を話しておくのはいかがでしょうか。そして「両親は未信者ですが、両親の葬儀は、私が喪主になってキリスト教式葬儀で送ることを願っています。お願いできるでしょうか?」と事前に要望を伝え、牧師と相談されることを勧めます。死は年や歳を選びません。ご家族の葬儀について心備えをしておきましょう。実際の葬儀は、病院から始まります。事前に牧師と相談し葬儀社を決めておくことが大切です。ご遺体はすぐに搬送されますので、搬送先(自宅、教会、葬儀会場)を家族と葬儀社と相談して、事前に決めて病院に知らせておくことが大切です。病院から搬送した先で、遺体が傷まないようになるべく早く納棺式をします。医師による死亡診断書を葬儀社に渡します。葬儀社はそれを市役所に届け、火葬許可書をとってくれます。
そして3者(遺族、牧師、葬儀社)で葬儀打ち合わせをします。一連の葬儀の日時と火葬場予約,3者の役割分担等を確定します。ここまでが大切で、土浦めぐみ教会では、次ページに掲載するような書式を用いていますので紹介します。
このような詳細を決め、葬儀日程を確認してから、親族や友人知人に連絡します。一連の葬儀が、遺族にとって慰めと励ましになるように、また故人を生かしてくださったいのちの創造者を拝し、主なる神さまに感謝があふれるように、祈りつつ進めましょう。教会では、上記情報を教会スタッフや奉仕者が共有しておくことが大切です。