4月に両教会は合併を行い、今村キリスト教会は新たに愛宕山教会伝道所として再スタートを切りました。岡崎市と安城市という隣市で距離にして10㌔弱、時間にして車で約15〜20分ほど。旧東海ブロック時代から50年以上の交わりがありましたが、2021年6月に今村キリスト教会で36年の長きにわたり単身で牧会された故近藤幸子師の体調急変で、同教会役員から連絡を受けた近隣教師の急行と翌日の召天。
翌々日コロナ下で人数を制限しながら宣教区主催の葬儀開催と、当時の宣教区長であった武安の代務就任、それから教職有志の協力による牧師館の片づけと、以降の午後礼拝の講壇ローテーションなど宣教区全体の働きかけから、愛する牧師を失った小さき群れは、当初は解散やむなしと覚悟していたものの、続けられるかぎりここで礼拝をささげたいとの願いが主から与えられて、明るさを取り戻しました。
とはいえ会員数3 名で、第一種教会として総会・役員会・教会規則をもって自立した運営を続けるのは難しく、折しも小生が教憲教規委員として、教会合併・解散マニュアル作成の任務が与えられていたことから、他教派の先行事例も参考にしつつ、教規第42条で明文化されているものの、当教団でほとんど例を見ない合併について、翌2022年から今村役員会で検討を始めました。合併相手については宣教区全体に募集をして、関心を示した近隣数教会役員会に説明に出向くなど努めた結果、武安の牧する愛宕山教会にて、両役員懇談会や全体説明、今村教会員の愛宕山礼拝合流などを経て、このことが宣教の主であるキリストのみこころであると前向きに捉えて、2025年3月に両教会臨時総会を開催して合併の運びとなり、過ぐる4月6日に竹内智之宣教区長の司式により、教規第42条2項に基づいて愛宕山教会にて合併式が行われました。
今後は第1主日は愛宕山で合同聖餐礼拝とし、他の主日は今村教会員が徒歩圏内であることから午前の愛宕山と午後の今村にて2拠点での礼拝を継続します。今回の合併を通して、主にある兄姉の交わりと宣教の責任が隣市まで拡げられる喜びを、両教会員一同が感じています。ともに、スウェーデン・アライアンス・ミッション(S A M J)の女性宣教師の系譜や、賛美を大事にする流れがあったことなど、霊性において不思議な一致もあります。
近年はキリスト教界全体が伸び悩みと牧師不足と信徒の高齢化により教会の再編が迫られ、小教会の存続については近隣教会からの兼任ならびに代務が増え、教会間の意思疎通や宣教区の働きかけが、必要になっています。私どもの合併事例が当教団に向けて、ささやかな証しとなれば幸いです。
「小さな群れよ、恐れることはありません。あなたがたの父は、喜んであなたがたに御国を与えてくださるのです。」(ルカ12章32節)