「この福音は、あなたがたが神の恵みを聞いて本当に理解したとき以来、世界中で起こっているように、あなたがたの間でも実を結び成長しています。」コロサイ1章6節
コロナ禍の始まった2 0 2 0 年4 月、『センターチャーチ』の著者でもあるティモシー・ケラー師は、世界の教会開拓者やリーダーたちにオンラインで次のように語りました。「飛行機の緊急事態の際は、酸素マスクをまず自分の口にはめましょう。そうでなければ他の人を助けることはできないから」と。そして、イエスさまの祈りの生活を紹介し、ストレスや困難の時ほど、非常に集中した祈りが必要であると話し始められました。
ポストコロナの今、私たちの社会には「停滞、下降、縮小」の波が押し寄せ、その影響は教会にも及んでいます。このような時こそ、私たちは「福音」という酸素マスクを自分にしっかりつけることから始める必要があると思います。
エペソで福音を教えるパウロを通し、恐らくエパフラスは福音を知り、信じ、救われます。そして故郷に戻ったエパフラスを通し、主はコロサイ教会を生み出されたのです(1章7節)。信仰と愛、望みの実が結ばれていたコロサイ教会でしたが、福音と異なる教えが入り込み、信仰の理解も生き方も歪められる危機がありました。そこで獄中からパウロが記したのがこの手紙です。
教会はいつの時代も霊的戦いがあります。パウロはその対処として「キリストにあって歩みなさい。キリストのうちに根ざし、建てられ」(2章6〜7節)、「キリストのことば(福音)が、あなたがたのうちに豊かに住むようにしなさい」(3章16節)と、福音がキリスト者たちの心、考え、生き方、人間関係、仕事などのあらゆる領域に浸透し、新しくされ続けることを勧めます。そして主の喜ばれる福音の実が結ばれることを励ますのです(1章10節、3章5〜4章6節)。冒頭1章6節の「本当に理解したとき」という表現には、福音が無限に豊かであることが表わされています。「停滞、下降、縮小」の波の中でも、創造・堕落・贖罪・聖化(刷新)・回復を教えるキリストの福音にこそ、すべてを変える力があることに私たちはいつも立ち返りましょう。
教団の教憲前文には、「聖霊の力によりキリストの宣教命令に応えて、神の栄光を現す」という教団の存立目的のために「積極的な開拓伝道と堅実な教会形成による国内宣教」を推進すると明記されています。主の導きの中で、4月より17番目の教団レベル開拓が島根県で始まりました。半年間は開拓者の李到玄師が教団諸教会でデプテーションをいたします。ぜひお迎えください。そして、国内宣教の前進のためにぜひご支援ください。伝道困難地である島根にも、救われる方々がさらに起こされ、主の教会が形成され、主の御名が崇められるようお祈りください。すべてを変えるキリストの福音をいよいよ信じ、ともに福音の実を結ばせていただきましょう。