4つのC
16世紀ルターによる宗教改革はドイツで始まり北欧にも及びました。17世紀はその神学的遺産を体系化したルター派正統主義の時代となります。ところが、この時代の教会には正しい教理はあっても、主との親しい交わりが欠けていました。そこでP・シュペーナーたちは、週の半ばに「敬虔な者の集い」を開いて、みことばを分かち合い、共に祈り始めました。すると彼らは聖霊に満たされ積極的に福音を証しするようになりました。敬虔主義運動の始まりです。フレデリック・フランソンの母は、スウェーデンの敬虔主義運動の指導者の一人で、フレデリックはその薫陶を受けました。
「フランソンの4つのC」をご存じでしょうか。Constant Conscious Communion with Christ つまり「キリストとの絶えざる意識的な交わり」です。フランソンはよく小声で何かつぶやいていたそうです。ある人が、「先生、何か?」と質問したら、彼は「いや、今、主イエスと話をしていました。」と答えたそうです。生き生きとした主との交わりが彼の福音宣教の第一の秘訣です。
再臨信仰
以前スウェーデンを訪ねた折り、かつて東海地方で活躍された老宣教師たちと交流の機会がありました。そのとき、1人の宣教師が立ち上がって、「『フランソンの秘訣』を知っていますか?」と問われました。師は言葉を次いで、「それは再臨信仰です。最近は主の再臨についてあまり教えられないのではないでしょうか」と仰いました。私は「私はキリストの再臨と新天新地の到来について、しばしば話します」と申し上げたら、老宣教師はたいそう喜ばれました。
フランソンのもう1つの秘訣は、自分の目が青いうちに、主が戻って来られるという信仰でした。だからこそ、最後の審判が来る前に、世界中の滅びゆく人々に、船と馬と徒歩で福音を伝えたのです。「いつとか、どんな時とかいうことは、あなたがたの知るところではありません。それは、父がご自分の権威をもって定めておられることです」(使徒1章7節)とあるので「その日」の詮索は無用ですが、自分が生きているうちに主が来られるという信仰は大事です( Ⅰテサロニケ4章17節)。私たちも、4 つのCと切迫する主の再臨への信仰をもって宣教に励みましょう。