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東北宣教プロジェクトニュース 2026年3月

東北宣教プロジェクトニュース

「忘れてないから」

林佑亮(日立福音キリスト教会牧師)

私が今いる日立福音キリスト教会の会堂後方に、教団伝道部による東北宣教プロジェクト(以下TSP)のチラシ(2022年発行)を、今も貼り続けています。そこに掲げられた「忘れてないから献げる」という言葉は、講壇に立つたびに必然的に私の目に入り、私に東北のこと、そしてそこで宣教の働きを進めておられる方々を思い出し続けるようにと促します。正直に申し上げると、私は震災や東北支援の経験に乏しく、今回の原稿の依頼についても「果たして私に書けることがあるだろうか」と悩みました。しかしこの機会は、私にとっての「忘れてない」を形にするための、神さまからの示しなのかもしれません。そこで、まずは私が遣わされている教会のある茨城北部、そして教会に集う皆さんが暮らす地域が、震災当時にどのような被害を受けたのかを振り返ってみることにしました。
3・11発生時、教会のある日立市では震度6強を観測し、多くの負傷者と避難者が出たほか、住家被害(全壊436棟、半壊3283棟)も報告されています。茨城北部は津波による甚大な被害も受け、とくに北茨城市では最大6.7メートルの津波を観測し、死者10名、行方不明者1名という記録が残っています。教会から車で40分ほど北上した五浦海岸を訪れると、当時の爪痕が今も残っていることがわかります。また教会員の方々からは、停電や断水による困難や、暗闇の中で生活することの恐ろしさ、寂しさを伺いました。
震災当時、私は18歳で愛知におり、現地のことをテレビ報道でしか知りませんでした。しかし被災地である茨城北部に赴任し、震災のリアリティを知ると同時に、被災地に生きる人たちの心と体、そして「いのち」を支え励ます教会の重要性と、その教会の働きを地域で維持し続けていくことの難しさを思い巡らすようになりました。
私は、まだグレイスハウス教会を訪問し、齋藤満先生と直接お話ししたことはありません。しかし、教会のホームページにある紹介文や、ニュースレターでの先生の言葉に触れるたびに、力強くそれでいて柔和なお人柄が伝わってくるように感じます。クリスチャンの少ない三陸の地で、ご家族で住みながら福音に生き続け、地域の方々に寄り添い、集会を重ねてこられた歩み。時に、お住まいや会堂の移動を余儀なくされることがありながらも、それでもみことばと向き合い、祈り続けてこられたその姿に、私自身が学ばされ、励まされています。
これからもこの支援の交わりに加えていただきながら、TSPとグレイスハウス教会のお働きが祝され、齋藤満先生とご家族の生活が主にあって守られていきますように、祈り続けます。そして、TSPのお働きに励まされている私自身もまた、遣わされた茨城北部の地で、「忘れてない」を生活の中で具体的にあらわせる者でありたいと願っています。

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