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日本同盟基督教団 教団事務所 

イースターメッセージ 復活への道 理事 林明信

イースターメッセージ 復活への道
理事・伝道局長 林 明信(那覇めぐみ教会牧師)

「夕があり、朝があった」(創世記1章)
「夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある」(詩篇30篇5節)

イモ虫からアゲハチョウへ
突然ですが、イモ虫はお好きでしょうか?アゲハチョウの幼虫です。私は正直、苦手です。子どもの頃は平気で腕に這わせていたのに今は触りたくありません。おそらくほとんどのかたは嫌いもしくは苦手なのではないでしょうか。
しかし、その嫌われ者のイモ虫はやがて誰にも好かれる可憐なアゲハチョウとなるのです。これは本当に凄いことだと思います。思うことは、あの気色悪いと思われるイモ虫が美しく舞ってみんなの目や心を和ませてくれる素敵なアゲハチョウに変えられるのなら、ましてや創造の冠である私たち人間はどれほど素晴らしい姿にしていただけるのだろうか、ということです。

けれども、その間には何があるでしょうか。サナギの時期があります。これはある意味で辛い試練の時です。サナギの中味はドロドロのクリーム状になっていると本に書いてありました。聖書のメッセージ的に言うならば、すべての自我が溶かされて、神の御手によって新しいいのちに造り変えられていくようです。

復活に至る十字架の道
教会の私たちのゴールは復活といえるでしょう。そしてスタートは信仰告白ですね。クリスチャンの誰もが信仰告白をしてスタートを切り、復活というゴールに向かっています。しかし、そこからゴールに至るまでに必ず通らなければならないところがあります。それは十字架です。神のために苦しみを喜んで負って歩むという十字架の道です。そしてその先に、必ず素晴らしい復活があるのです。
私が奉仕している「那覇めぐみ教会」は、1964年の喜友名ミルドレッドみどり宣教師による聖書研究会から始まって「那覇キリスト教会」として歩み出し、間もなく那覇市国場に献堂して「国場教会」となりました。そして1986年に赴任された細田光雄牧師の尽力で、2005年には那覇市上間の鉄筋コンクリート3階建ての大きな物件を購入改装し遠くからでも見える大きな十字架を立て「沖縄ビクトリーチャーチ」と改名しました。それからおよそ十年間、活発に伝道と教会形成がなされて文字通り老若男女が集い、多い時には百名近い人が礼拝していました。
しかし、熱心ではあったものの大きな教会堂購入のための多額の資金借入は群れには過大な負担となり、紆余曲折を経て今から数年前に上間の会堂を売却するとほぼ同時に細田牧師も辞任し同盟基督教団を退団されました。借入金は返済できましたが信徒は離散し、礼拝する場所も牧師もお金も無くなり、あとに残されたのはひと握りの信徒と大きな痛みでした。まさに、上述のサナギの状態といえるでしょう。この辛い状況の中で支えてくださったのは同盟基督教団の教会の主にある仲間たちでした。

確かな希望をもって
そして、現在の牧師である私が赴任して2年、那覇めぐみ教会と名称変更して1年が過ぎました。最初は礼拝する場所にも牧師住居にも事欠きましたが、今は専用の集会場としてビルのテナントを借りることができ、この4月からは那覇市内に牧師館も借りることができました。人数こそまだ増えてはいませんが、信徒の方々にはいつも感謝と喜びと賛美が満ちあふれています。背後に教団・宣教区、特に沖縄中央教会(喜友名朝英牧師)の温かい支援があったからこその恵みです。
聖書は、十字架という苦しみがあって、そして復活の喜びが来る。同じように、人生というものは「夕があって、朝が来る」「涙があって、喜びがある」と教えています。確かに私たちの人生には試練や苦しみがあります、しかし、その先には必ず素晴らしい復活の祝福があるのです。そのことを信じて、希望をもって歩んでいきましょう。

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