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日本同盟基督教団 教団事務所 

人格尊厳委員会「問題行動に対する叱責」

人格尊厳委員会「問題行動に対する叱責」
人格尊厳委員 大杉至(伊那聖書教会牧師)

シリーズ第3回は「問題行動に対する叱責」を取り上げます。
仮想事例「自己管理ができずたびたび寝坊で無断遅刻する実習神学生に対して、牧師が一度厳しい叱責をし、改善するように指導した」これは問題行動に見合った叱責や指導なので、ハラスメントには当たりません。
問題行動に対して、職務上の責任者が叱責や指導することは正当な行為です。また問題行動の頻度や内容に見合った厳しい叱責をすることは許容されます。
ただし、問題行動に対して不釣り合いなほど厳しすぎる叱責や、執拗に繰り返す叱責は不当行為であり、ハラスメントになります。たとえば、週報の軽微な誤字について、作成者に対して怒鳴りつけたり、執拗に叱責を繰り返せばハラスメントに当たる可能性があります。
時折、相手に対する嫌悪感や不満から怒りの感情を抑えきれず、度が過ぎる叱責や指導をする人がおります。本人に責任がないことにまで八つ当たりする人もおります。叱責や指導の前に、冷静になって叱責や指導内容を検討する必要があります。
過労や心身不調のためにミスをすることもあります。そこに叱責が重なるとさらに体調が悪化しミス頻発という悪循環に陥る可能性があります。叱責や指導の前に、疲れ具合や健康状態を気遣い、休息や負担軽減など適切な配慮をするべきでしょう。
教会においては、牧師が信徒を指導することはありますが、両者の関係は会社における上司と部下の関係とは異なります。むしろ牧師は仕える者として信徒を導くという姿勢が大切です。
複数の教職者がいる場合であっても、上司と部下の関係ではなく、互いに同労者であるという認識が不可欠です。この点が、会社と教会の違いです。神学生に対しても将来の同労者として人格を尊重したいものです。
互いの人格が尊重され、安心して集える教会でありたいものです。

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