ジョシュア・プロジェクトの統計によると、日本は世界第2位の「未伝地」(UNREACHED PEOPLE GROUP)とされています。第1位はバングラディシュのシャイク族で人口1 億3 千万余、クリスチャンは0%。日本は1億2千万余、クリスチャンは1.2%です。こういう統計を見ると、日本宣教がいかに困難で進展しないかを思うかも知れません。
しかしその見方を変えた方が、伝道への新しい視野が拓けると感じています。東京基督教大学(TCU)の案内で全国を回る中、強く一つのことを感じて来ました。それは、日本にはキリスト者の先人によって広くくまなく福音の種が既に蒔かれている、という実感です。全国どこへ行ってもキリスト教ゆかりの何かがあり、キリスト者をルーツとする働きに接点のある方に出会うので驚いています。
例えば、賀川豊彦(牧師)の協同組合や教育や金融や福祉の働きや、羽仁もと子(信徒)の教育や出版や「友の会」の働きや、TCUも加盟するキリスト教学校教育同盟(プロテスタント約100団体が加盟)の働き等です。それらの団体の多くが創設の理念に「伝道」や「神の国建設」を掲げて、全国を覆っています。今では多くのメンバーが未信者で、創設の理念の言葉は知っていてもその意味を知りません。これは「未伝地」と言ってもシャイク族とは種類が違います。「既に福音に触れた未伝地」なのです。
今年は「大正のリバイバル」からちょうど100周年です。日本でも「リバイバル」が何度も起きたのです。宗教関連の調査をすると常にキリスト教シンパが思いの他多いのは、信仰の先人たちが沢山の種を蒔いたからです。そこに着目すれば1億2千万宣教は決して不可能ではないと思い、置かれた場でチャレンジしています。