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日本同盟基督教団 教団事務所 

人格尊厳委員会 教会におけるジェンダーロール

人格尊厳委員会 教会におけるジェンダーロール
人格尊厳委員(医師)櫻木園子(京都めぐみ教会員)

ジェンダーとは、社会・文化的に割り当てられた男女の性による区別を言います。男性はこうあるべき、これは女性の役割、というように、性別によって一括りにする視点です。
教会の中では、むしろ保守的に男性性、女性性を尊重してきた面があるのではないでしょうか。聖書が教える夫と妻の在り方以上に、慣習的に男性と女性の役割を規定し、押し付け、その中で苦しい思いをしている人はいないでしょうか。
ジェンダーの話をするときに、「今までそうしてきたのだから」という考えを一旦外すことが大切です。男女の区別なく、「この奉仕は誰にしてもらうのか」と考えるのです。「男性は仕事、女性は家庭」という考えが根強い日本では、家事に近い食事の用意や掃除、子どもの世話などは女性がするのが当然、という雰囲気はないでしょうか。また、力仕事やリーダーは男性が、というように押し付けていないでしょうか。男性のほうが力が強い、女性のほうが細かいところに気が付きやすい、という一般的な性差はあるとしても、絶対的なものではありません。「そういう人が多い」というだけで、「その人」がそうなのかは別の話です。喜んでその奉仕をするなら問題はありませんが、得意分野や体力には個人差があるのに、「男性だから」「女性だから」と思っていませんか。その男性、女性の役割分担が聖書から出たものか、これまでの習慣や文化から出たものか、一度見直してみましょう。
牧師夫人についても、「教会の主婦」のような扱いにならないように注意しましょう。その立場は教会によって違いますが、夫人がどのように教会に仕えたいと願っているのかを無視して奉仕を押し付けることのないようにしたいものです。
教会に集う一人ひとりが、「男性」「女性」ではなく、「○○さん」として、一括りの中の誰かではなく、個として尊重される神の家族を目指しましょう。そのためには、みんなが素直に思っていることを伝えあえる関係、それを話しても誰も不機嫌にならずに受け止めあえることが大切です。

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