「費用を計算しない人がいるでしょうか。」(ルカ14章28節)
全き献身の備えを求めるみことばですが、文字通りに数字の大切さも受け止めたいものです。
『宗教年鑑』が文化庁から発刊されるのに合わせて、クリスチャンプレスがネット上に、各教団教派の統計上のランキングを紹介しています。昨年の記事の見出しには、「福音派の同盟教団……は成長が止まる」とありました。
同盟基督教団は、統計上の数字では、近年目覚ましい成長を遂げて来ました。クリスチャンプレスの記事も、「1986年には6944人(当時13位)だったところから5519人(約79%)も成長した」、「2018年には1万2455人」(7位)と指摘する通りです。同盟基督教団が日本の教団教派の中での存在感を増して来たのは事実です。しかし記事は続けて、「ここ最近、減少傾向になっている」というわけです。
統計数字に囚われる必要はありません。けれども、数字から分かることも沢山あります。伝道局では、伝道部も教会支援部も宣教研究部も、数字やデータと格闘し続けています。例えば、伝道部では、「全県に同盟の教会を」の達成まであと4県となり、開拓伝道の計画と資金の流れの整合性を詰めています。教会支援部では、毎年の教会支援費の分厚い申請書の数字を、その背景事情も鑑みつつ、より実態に即して深く読み取ろうと努めています。宣教研究部では、「教会の自立」の課題、「受洗者数の減少」の課題、「次世代を担う教職者育成」の課題に取り組む中で、同盟基督教団の過去の教勢データを縦横無尽に活用できる包括的なデータベースを作成しています。これらはほんの一例です。
定量的な数字から現況を把握し、課題を読み取り、対応を検討するのはもちろんですが、定性的なファクトを追い求めることにもこだわりつつ取り組んでいます。こうなっているのはこういう理由だという意見は種々ありますが、「本当にそうなのか」を執拗に追及することが大切であると思っています。また、数字から危機感を覚え、その改善を目指して対応策を取った場合、その結果が実際に数字に現れているかどうか、自己満足に終わったり、良かれと思ったことが的外れになっていたりしないかに心を向けています。
冒頭、クリスチャンプレスの記事に触発された表題を付けましたが、同盟基督教団は「成長が止まる」状態に陥ってはいません。私は、今の同盟基督教団は改革の節目に差し掛かっていると思っています。近年の取り組みを定量的定性的に評価して、次の跳躍台を用意する時です。変えるものは変え、充実を図るものは適切に刷新して行きたい所です。ちょうど迎えた130周年を、そのような姿勢で過ごしたいと願っています。