日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

日本同盟基督教団 130年史②

日本同盟基督教団 130年史②
宣教協力と教会形成の時代
中野教会牧師 河村 冴

1891年11月22日にフレデリック・フランソンによって遣わされた15名の宣教師が横浜港に到着して、ちょうど今月で130年を迎えました。先立って9月23日に宣教130周年記念大会を開催し、これまでの主の守りと導きに感謝する時を持ちました。恵みの年月を振り返り、感謝するために、『世の光』10月号から12月号まで3号にわたって、教団史編纂委員会が2021年11月22日に発行する『日本同盟基督教団130年史』の紹介をしております。今号はその2回目です。
先月号では1966~1990年、130年史では「計画伝道による教団拡張の時代」と捉え紹介しました。それに続く1991年~現在までは「宣教協力と教会形成の時代」と捉えています。
この時代、教団では宣教協力の推進と共に、教団の歴史的責任の認識と将来に向けての機構改革がなされました。1993年に「明日の教団を考える会」(在職20年以上の教職者研修会)が開催され、教団の三本柱「聖書信仰、宣教協力、合議制」が強調されるようになりました。
1996年の宣教105周年記念大会「横浜宣言」をふまえ、2007年には教憲前文に「過去の戦争協力と偶像礼拝の罪を悔い改め」と表明しました。2006年から宣教区制を導入し、2013年に教憲教規・信仰告白を改訂、宣教区代議員による代議制教団総会に移行しています。
現在に近づくにつれ、歴史的評価は多様で困難になりますが、事実を淡々と書き連ねる中で、改めて見えてくることがあります。歴史という縦軸には、過去の罪を直視し続けることによる悔い改めが、そして宣教という横軸には、互いを覚えて祈り、具体的に支え合う協力が流れていることを確認できます。そして、宣教協力は130年間、すべての時代にわたって流れ続ける特色と言えましょう。
特に困難な場所に、宣教のパイオニアとして踏み出し、国外には「日本とアジアと世界」に仕える教団として、これまでに40組の宣教師を派遣してきました。国内の開拓伝道は札幌、福岡、仙台、愛媛、盛岡、宮崎、山形、熊本、鹿児島、三重・徳島(宣教区開拓)で行われています。福岡から全県設置を掲げ、残すは佐賀、和歌山、島根、秋田となりました。また東日本大震災の被災地支援から、2019年には大船渡市にグレイスハウス教会を設立しました。困難を共に乗り越えて、現在16宣教区261教会・伝道所を数えるまでとなりました。
一方で足元には様々な課題があります。所属教会数は伸び続ける一方で、受洗者やCS生徒は減少傾向が続き、更に現住陪餐会員数や礼拝出席者数までも頭打ちとなっていることが巻末のグラフで確認することができます。次代の教会を支えるために韓国人教師が加入し、1990年以来50名を数えています。困難はいつの時代にもありましたし、敢えて困難な地を己が宣教地として踏み出していくのが同盟スピリットですが、知恵と工夫と惜しみない犠牲、そして何より祈りと愛の宣教協力に主が応えてくださったことによって現在があることを、130年史を通して確認していただけることでしょう。
そしてこのような歴史を連ねているからこそ、現在諸教会に痛烈な打撃を与えているコロナ禍も、必ずや乗り越えさせていただけると希望を与えてくれる一冊になると信じます。

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