日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

負債を返そう 教職理事 水草修治

理事の声
負債を返そう 水草修治(苫小牧福音教会牧師)

「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」(マルコ16章15節)

返すべき負債
主イエスは復活後、弟子たちに「大宣教命令」を下しました。マルコ福音書、ルカ福音書、使徒の働きに記された命令の要点は「すべての人に福音を伝えよ」であり、マタイ福音書に記された命令の要点は「主の弟子とせよ」つまり教会形成です。
筆者が駆け出しの頃、共に労したモーリス・ジェイコブセン宣教師は、「戦後来日した私たちはすべての人に福音を伝えることに励みましたが、教会形成を知りませんでした」と残念そうに述懐されました。ですが今日、私たちは教会形成を意識する反面、「すべての人に福音を宣べ伝えよ」という命令に十分応えているでしょうか。
パウロは「私は、ギリシヤ人にも未開人にも、知識のある人にも知識のない人にも、返さなければならない負債を負っています。ですから、私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。」(ローマ1章14〜15節 新改訳第三版)と言いました。

福音と足
ところで、聖書において「福音」という言葉は、体のどの器官と関係があるとされているでしょう。口でしょうか?舌でしょうか?「なんと美しいことか、良い知らせを伝える人たちの足は」(ローマ10章15節)「足には平和の福音の備えをはきなさい。」(エペソ6章15節)とあるように、福音は足に関係しています。つまり、シンプルに言えば、福音は会堂の外で未信者に向かって伝えるものだということです。
筆者が仕える苫小牧福音教会はここ6年間、近隣地域に毎月1万部、新聞スタイルのトラクト「苫小牧通信」を自前で刷って新聞折込にして来ました。けれども苫小牧市は全部で9万戸で、今は新聞を取っている家が非常に少ないのです。ネットニュースで十分だという人が増えたことと、毎月4、5千円の新聞代が無理な家が多いのでしょう。でも、そのお陰で、朝、空っぽのポストが多く、「通信」を入れやすくなっています。そこで、昨年4月から雨でないかぎり毎朝食前、ヨハネ3章16節の解説文の「通信」を1時間ほどかけて配るようになりました。厳冬期はお休みして今年も4月から再開しました。
ホームページやブログやユーチューブも使いますが、それだけでは地域に浸透できません。幸い日本は識字率が高いので、文書で福音を伝えられます。読む、読まないは、聖霊とご本人の意思次第ですが、福音を伝えることは私たちが「返さなければならない負債」です。
昨年度は1人で配っていましたが、この春からは「私も配りたい」という兄姉が2、3人現れたので、地域を分担したり、たまにはお昼に一緒に配るこのときは楽しいものです。ある姉妹に言わせると、「福音通信を配ることは精神衛生上よい」とのこと。借金を返し終わったときの、あの気分なのでしょう。

効果
この働きについて紹介すると、たいてい「効果はありますか?」と質問があります。「効果」は絶大です。「すべての人に福音を宣べ伝えよ」というのが主の命令ですから、福音を伝えなければ失敗ですが、伝えれば成功だからです。
でも「効果はありますか?」という質問の意図は「通信を配って人は来ますか?」ということでしょう。この働きをしていると、直接に「通信」つながりでなくても、不思議に主を求める人々が教会に増えて、クリスマスとペンテコステには受洗者も与えられました。主のご命令に正直に答えようと励んでいると、主が神の家族となる人々をプレゼントしてくれるのかもしれません。
それに足で福音を運ぶと、運動不足解消、朝ご飯が美味しい、町の穴場発見というおまけも付いてきます。

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