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日本同盟基督教団 教団事務所 

東北宣教プロジェクトニュース2022年11月

東北宣教プロジェクトニュース
「主の宣教は滞りなく」
小見靖彦(いのちの樹教会牧師)

2015年の教団総会で初めて東北宣教プロジェクトの説明をお聞きした時、正直に言いますと私は、被災地での教会開拓はまだ早いのではないか、と要らぬ心配をいたしました。と言いますのも、宣教を全面に押し出した支援活動が、逆に現地の教会の被災者支援を妨げているという話をちらほらと聞いていたからです。けれど、派遣される先生が齋藤満先生と聞いて、腑に落ちたと言いましょうか。先生の柔和で誠実な人柄と多彩な賜物は、被災地にあっても用いられ信頼されるに違いない。「ああ、齋藤先生なら何も問題ない。」と、妙に納得がいったのを覚えています。
いのちの樹教会では2018年と今年の3月に齋藤先生から宣教報告の時をいただきました。と言いましても今年はコロナ禍のためビデオ礼拝という形でしたが、久しぶりの先生の声を皆で懐かしく聞きました。前回来ていただいた時は、支援活動を通じて信頼関係を築き上げ、いよいよ礼拝を開始するというご報告でありました。今回は二種教会となり、さぁこれからという矢先に会堂代わりの住居が使えなくなったというお話を聞きました。宣教は一筋縄ではいかないものだとつくづく思わされました。それでも目の前のことに忠実であろうとする先生のお証しを聞き、高齢者を対象にした『ふまねっと』運動や地域の保育園で英会話教室を頼まれたりするご様子をお聞きしながら、地に根を張る宣教が懸命になされてきたんだなぁと感慨深く思わされました。地域に根ざす自立した教会を建てあげることは、一朝一夕にはいかないことかと思います。もちろんそれはどこであってもではありますが、特に人も町もあらゆる関係が壊された被災地において、新たな信頼を築き上げることは時間のかかる困難なことだと思います。被災地においては、教会が建っては撤退することが繰り返されてきたとも聞きました。だからこそ被災地の中に住み、共に復興に励んで来られた先生のお働きが今、信頼され、実を結び始めているのだと感謝いたしました。
つい最近のこと、願っていた会堂が遂に与えられたという嬉しいご報告をお聞きしました。主の宣教は滞りなく進んでいるのだと確信いたします。グレイスハウス教会が決して壊れない永遠のいのちを届ける働きとして地域に用いられるように、これからも共々に祈ってお支えしていきたいと思います。

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