2015年、東北宣教プロジェクトの現地リーダーとして岩手県に赴任しました。家族を盛岡に残し、仮設や支援拠点で寝泊まりしながら被災地を回り、どこに支援活動と教会開拓の拠点を定めるのか祈り求めました。その中で教会開拓がなかなか実らない三陸沿岸の現実を目の当たりにしました。支援活動とその場所に根ざし進める教会開拓の性質の違いもあります。今日まで多くの支援団体や宣教師たちが引き上げるのを見て来ました。その中で当初から2つの祈りが与えられました。
1つは「ともに働く仲間」です。沿岸被災地はもともと超少子高齢化地域で、因習も深く、教会開拓が進んでこなかった地域です。支援活動でキリスト教会へのイメージが良くなったとはいえ、1家族のみの開拓伝道では孤立無援になり限界があります。「神さま、被災地での教会開拓がみこころなら、ともに働く仲間を与えてください」そう祈りました。すると2016年、同盟基督教団の姉妹が故郷伝道を志し、引っ越して来られました。また支援活動で定住した若い家族が教会のイベントなどに来るうちに教会員になりました。彼らがいなければ私たちもすでに燃え尽きていたでしょう。計り知れない主のご配慮を思います。
2つ目は「無借金の拠点確保」です。ここ数十年、三陸沿岸のほとんどの教会がそれぞれの団体の支援や牧師の副業でなんとかしのいで来たのが現実です。その実績から考えるならこの地域の教会の経済的自立は難しいと言わざるを得ません。私は「神さま、無借金での活動拠点の取得が必要です」、そう祈りました。主は真実です。2016年、破格の賃料で旧ボランティアセンター・グレイスハウスが与えられ、2019年からは教会となりました。そして、2021年6月、突然の物件返却となりましたが、2022年9月に教会の自己資金で中古住宅付きの土地の取得。そして今、皆様の祈りとご支援のもと新しい活動拠点&会堂が整えられようとしています(11月末執筆時)。支えてくださった皆さまには感謝しかありません。
この三陸沿岸でどのような教会形成ができるのかまだ見透せません。しかしただ、ただ主の真実に信頼し、皆さまとともに被災地に主の教会を建て上げられればと願って止みません。