
『「主はギデオンに言われた。「わたしはあなたとともにいる。」』 士師記6章16節a
4月から新しい理事会体制がスタートしました。理事12人のうち半数が入替えとなり、信徒理事3名は全員新しい顔ぶれとなりました。教団では、新しい宣教戦略を考える会が今年の2月に最終報告をまとめ、女性教職に関する委員会は「宣教における女性教職のこれからについての報告書」をまとめ、その他にも様々な提言がこれまで出されてきました。背景にあるのは、多くの教会が苦境に立たされているという現状と、このままではいけないという「危機感」です。宣教協力を標ぼうする私たちの教団は、時代の変化や人々の生活様式が大きく変容していく中、どのように宣教の使命そして教団が持つ宣教理念を実現していくのか、その具体的な対応が求められています。それも待ったなしの状況です。そういう意味で、今回の理事会は実に大きな課題に取り組むこととなります。祈りをもってお支えいただけますと幸いです。
教団の現状について、新しい宣教戦略を考える会が様々なデータからまとめてくれました。それはこれまでの教団の宣教協力の実を可視化しているとともに、昨今の厳しい現状を浮かび上がらせています。その現状を端的に言うならば「減少」です。戦後、主のみわざによって教団の教勢は上昇の一途をたどり、福音派の中で最も大きな教団の1つとなりました。しかし2010年代に入って教勢は減少傾向に転じ、コロナが明けてもなおその傾向は続いています。要因は様々あるのでしょうが、機構改革に取り組んでいた時には、私自身想定していないことでした。自ら仕えている教会も教勢はピーク時から約半減しています。国内には福音を聞いたことのない民が大勢いるにもかかわらず、働き手が減少しています。「主よ、どうすればよいのでしょうか」と問いたい気持ちにさせられます。
そのような中で、思い起こされるのは、ギデオンのことです。ギデオンは、主の使いから「力ある勇士よ」と呼ばれたことに違和感を覚えます。なぜなら属する氏族は弱く、年は若く役に立たないと思っていたからです。そこで主は彼のために、強く経験豊富で有能な勇士を大勢備えてくださったでしょうか。そうではありません。ミディアン人やアマレク人などによる連合軍13万5千人以上と戦うために集まった兵は3万2千人でした。しかし主はそれを3百人にまで減らされました。最後は水辺で「手で口に水を運んですすった者」が残されました。つまり主の選考は精鋭たちを選ぶというものではありませんでした。それでも不思議に民はギデオンへの不信や怒りを抱くことはありませんでした。そして選ばれた3百人も無謀でしかない戦いに勇敢に臨みました。なぜでしょう。鍵は、ギデオンが召された時「どうすれば私はイスラエルを救えるでしょうか」と問うた時に主が告げられたことばにあります。それは「わたしはあなたとともにいる」でした。主イエスが福音宣教の戦いに出ていこうとする使徒たちに告げられたことも同じです。「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます。」(マタイ28章20節)
「減少」という現実は、私たちを暗たんたる気持ちにさせます。この課題に知恵を結集して取り組むことは大事です。しかしそれ以上に試されているのは、私たちの信仰です。私自身、理事長という大役を担うことに、小さな心は震えています。しかし主は言われます。「わたしはあなたとともにいる」。この約束が私たちの宣教協力の過去、現在、未来にあるというもう1つの現実に目を向けたいと思います。私たちの確信は、必ずまた増加に転じるということではなく、主がともにいてくださるということにあります。