私たちの教会は2025年6月に新会堂を献堂しました。実は十数年前にも老朽化しつつある会堂の建て替えが議論になりました。セミナーなどを開催して学びを行いましたが、教会員の意向をアンケートで尋ねた結果は、全面的な建て替え、大規模改修、現状維持の3案がほぼ同じ割合になり一致できませんでした。このことから私たちは会堂を建てるには、単に資金面の充足だけを見るのではなく、教会員の一致に向けて入念な事前準備が必要であることを学ばされました。
2017年の牧師交代を機に、牧師の発案で教会理念検討委員会を立ち上げ、私たちの教会が目指すことを教会理念として定めました。それと同時に会堂検討委員会を設置して教会堂の将来像を考えることにしました。
これらの委員会による検討と並行して、教会セミナーを重ね、時に外部講師もお願いして、教会員がこれからの会堂に対する考え方を整理できるようにしました。このような取り組みを通じて教会員の新会堂にたいする理解が一致してきたことから、2021年の教会総会で教会創立65周年を迎える2024年を目指して会堂を建て替えることを決議し、会堂建築委員会を発足させました。ちょうど新型コロナウイルスの緊急事態宣言期間でもあり、大勢の教会員が集まることも自粛していましたが、オンラインも活用して教会員による会堂建築懇談会を続けました。
会堂建築委員会が最初に取り組んだのは、教会員が新会堂に具体的になにを期待しているかを確認することでした。そこで会堂建築懇談会で教会の理念に基づく教会建築のビジョンを考え、それに100人収容の礼拝堂、5人家族が生活できる牧師館の併設など具体的な建築要件を加えて新会堂建築の基本構想を決めました。途中議論が白熱して前に進まないこともありましたが、教会員に対しては毎月発行する新会堂ニュースや建築懇談会の開催などでこまめに情報を伝え理解を得るよう心がけました。建築設計士の選定以降はおおむね順調に進みましたが、新会堂建築を決議してから着工までに2年半を要しました。
新会堂は吹き抜けにしたことで賛美の声がよく響きます。また明るい集会室は礼拝後のティータイムにも用いられ、庭の草花を見ながらの歓談に話がはずみます。バリアフリーにしたことで走り回る掃除ロボットや、広くなった玄関ホールで立ち話をする教会員を見ながらしみじみ思うことは、最初は困難に思えることも入念な準備をした上で、そこに介在してくださる主の助けを切に祈り求めれば、最後には成し遂げてくださるということです。