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日本同盟基督教団 教団事務所 

教会教育部 《連載》教団の教会教育・現状と提言 提言②「福音の種を蒔き続けよう」

教会教育部 《連載》教団の教会教育・現状と提言
提言②「福音の種を蒔き続けよう」
教会教育部員 宮地 宏一(高松泉キリスト教会牧師)

■提言②
「福音の種を蒔き続けよう」
今から30年前、教会には子どもたちがあふれていました。けれど最近は、どこの教会でも子どもたちが減少し、教会学校を閉じる教会も出てきています。この危機的状況から脱するために、今できることは何か、考えてみましょう。
◆教会学校の現状
アンケート結果を見ますと、85%の教会で教会学校をしていることがわかります。けれど同盟基督教団全体の生徒数は、1981年に比べ、30年後の2018年は約40%に減少しているのです。そして全体の55%の教会が平均人数5名以下となっています。「次の一手を」と考えながら、手詰まり状態である教会も多いことでしょう。私の仕えている教会の教会学校でも、私の子どもたちだけです。来年から時間を午後に移し、子ども会のようなお楽しみを増やそうと計画中です。時間を移すことで、礼拝の時間に親と一緒に来る子どもたちが参加できることを願っています。

◆教会学校以外のプログラム
約73%の教会が教会学校以外の伝道のためのプログラムを持っています。ある教会から「数年ぶりに子どもクリスマス会を企画したら、子ども5名が参加してくれた」と喜びの報告がありました。子ども会以外にもサマーキャンプ、夏休み宿題会、クッキング・工作のようなお楽しみ会など、様々な取り組みがされています。けれどこのようなプログラムから日曜日の教会学校につながらないということで歯がゆさを感じておられる教会もあるようです。

私の仕えている教会でも、子ども会や絵本の読み聞かせに参加する子どもや親が日曜日に来ることはほとんどありません。目に見える成果があったら、もっとやる気ができるのに、と思いつつ、簡単にはいかないのが現実です。
◆刈り取る時を期待して
しかし日曜日の教会学校につながらないなら、キッズ・ユースミニストリーをする意味がないわけではありません。子どもたちが「教会は楽しいところ」「温かいところ」というイメージを持ってくれることが何よりも大切です。
なぜなら子どもの時に教会に来たことが、大人になって教会に来るきっかけになっていることは多くあるからです。教会に来ている人を対象にした「初めて福音を聞いた年齢」の調査結果では、18歳以下で初めて福音を聞いた人が73%でした(第六回日本伝道会議子どもプロジェクトDATABOOK 第二版、2017年、7頁)。
今まで何十年も福音の種を蒔き続けてきてくださった方々の労苦が実を結び、刈り取る恵みにあずかっていることになります。ですから今、水の上にパンを投げるような空しさを感じたとしても、やがて「喜び叫びながら刈り取る」時が必ず来ることを主に期待して、お互いに励まし合って、一度でも多く、福音の種を蒔き続けていきましょう。
◆心の柔らかいうちに福音を
教会学校以外のプログラムを行うことは、結構大変です。プログラムを考え、準備し、多くの時間を要しても、それに見合った成果がないとガッカリします。けれど続けていくうちに、子どもたちの純粋さに触れ、お話を聞いているときの輝いた目を見て、こちらが励まされるのです。心の柔らかいうちに福音を聞くことは本当に大切です。
しかし、イエスは言われた。「子どもたちを来させなさい。わたしのところに来るのを邪魔してはいけません。天の御国はこのような者たちのものなのです」マタイの福音書19章14節

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