今年3月の第71回教団総会で、信州宣教区の役務者会から質問を出させていただきました。質問の内容は、教職者の生活保護に関する実態調査の件と、病気療養中の教職者の経済状況に関する質問です。役務者会では、教職者の経済状況や福利厚生の面で、教会間の格差があることに痛みを感じ、その格差を緩和できないものかと考えてきたからです。
信州宣教区では、まず自分たちの宣教区内の実態を把握するために、アンケート調査を実施しました。その内容は、牧師謝儀と教団の謝儀参考基準との差。牧師が加入している年金と保険の種類。退職金の備えの有無。牧師館の光熱水費の扱い。牧師または牧師夫人の副業(アルバイト)の有無。今後の牧師不足、牧師の高齢化などについての考えなどです。宣教区内のすべての教会から回答を得ることはできませんでしたが、15教会中10教会からの回答を得て、宣教区内でも厳しい格差の現実があることを実感いたしました。何とかこの格差を和らげる方法を思案しているところです。
信州宣教区で数年前から取り組んでいるもう一つのことは、教職者により良く休暇を取ってもらうために、牧師休暇支援制度を設けて、教職者が休暇を取りやすくするために、代わりの説教者の謝礼を宣教区で支援する制度を実施しています。教会会計に負担をかけられないという思いで、日曜日を挟んで休暇を取ることを遠慮することがないようにするのがその目的です。実際には、教職者によって休暇に対する考えに違いがあり、こだわりを持った教職者もおられて、なかなかすべての教会でこの制度を利用していただくには至っていませんが、徐々に活用される件数が増えてきました。教職者には、上手に休暇を取っていただき、心身ともに良い状態で長くご奉仕していただけるようにと願っています。また上手にリフレッシュしていただくことが、一層充実したご奉仕つながるのではないかと考えています。当初、1教会あたり1万円の支援で、使途も代理説教者の謝礼に限定されていましたが、今年度から1教会年1回、目安1万円、上限を3万円にし、使途の枠も広げて利用しやすいように配慮しました。
共にキリストの身体に属する教会として、課題や痛みを共有し合って、信州の宣教と教会形成のために協力し合えることを願っています。