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関西宣教区 初夏の特別講演会の報告

関西宣教区 初夏の特別講演会の報告

 

関西宣教区集会委員会 委員 吉村俊輔(近江聖書教会牧師)

昨年に続き、今年も関西宣教区主催の初夏の特別講演会を、6月23日に、茨木聖書教会を会場に、対面での開催が許されたことを心から喜び、感謝します。
講師は大瀧恵理也師(小平聖書キリスト教会牧師)でした。当日は50名ほどが参加しました。
2020年の春に始まったコロナ禍を経て、現在はコロナ前の生活リズムと教会生活及び活動を再開しようとしている教会は多いのではないかと思います。その中で、今年の講演、「祈る教会となっていく〜コロナ禍を経て」は大きな励みとなりました。
始めにコロナ禍の中で大瀧師にとって大きな励ましとなった書物、『A Praying Life(祈りの生活)』(Paul E. Miller 著) が紹介されました。
特に印象に残った点は、主イエスは「めちゃくちゃ」(英messy)な子どもたちを受け入れられたように(マルコ10章14〜15 節)、私たちのありのままの祈りを受け入れてくださる点でした。私たちの心の底にある本当の願いや恐れや心配を抑えないで正直に祈ることの重要性、また主ご自身が私たちの正直な声を待っておられることが教えられました。
さらに、私たちの望みと現実の間にあるギャップについて触れられました。望みと現実のギャップに対応する方法は主に2つあり、その1つは現実の問題を受けとめず、否定し、他のことで気を紛らわせる方法です。2つ目は、望みと現実のギャップを決断と努力によって埋めようとすることです。前者の場合は無責任な結果を生み出してしまい、後者の場合、現実が変わらない場合は希望を失ってしまう。いずれにしても、望みと現実のギャップを通ることは辛いことであり、「砂漠」を通るようなことであることを述べられました。しかし、この「砂漠」こそが、神と出会う場所であり、そこで神が私たちの祈りを待っておられることが教えられました。
次に、祈りの意義と力について、特にご聖霊に焦点を当てて、旧新約聖書のみことばを通して教えられました。私たちが祈る時、ご聖霊が与えられ、私たちをキリストの十字架と復活の力に与らせ、神の御業と御力が与えられる。祈りは神の民にとって不可欠であり、祈りは我々教会のすべての働きの原動力である。教会が継続的に祈る先に、神の導かれる大きなご計画、「神のストーリー」の希望が必ずあることに励まされました。
最後に、講演の中心聖句(使徒の働き16章23〜40 節)を土台に、また大瀧師ご自身の証しを通して教えられました。試練を通って、希望へ向かうことは、主イエスの試練である死と希望である復活という型をたどること。神は必ず死の後に復活をご用意されているお方です。
今、コロナ禍前の生活と教会の形式を取り戻そうとしている中で問われていることは、ただ以前行っていたことを再開するだけではなく、祈りの中でキリストの御霊が今、願っておられ、働こうとしておられることを追い求めることです。
大瀧恵理也師の講演に、関西宣教区の先生方と信徒が共に励まされ、今年の初夏の特別講演会は、主にある希望を共に味わうひと時でした。

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