日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

「福音の宣教を継続する」

「福音の宣教を継続する」
伝道局長 三浦陽子(安中聖書教会牧師)

先日、思いがけない機会があり元伝道局長の正村富男先生(元長野福音教会牧師)のお墓を訪ねました。富男先生は、1990年から4期伝道部長を、その後2期伝道局長をされ、65歳で主のもとに召されました。残念ながら、私は伝道部員として共に働くことはできませんでしたが、当時20代の私が牧師として仕えていた教会(今はない)が準教団レベル開拓教会であったことによって、伝道部に定期的な報告を求められ、先生からは多くの励ましとビジョンを伺う機会が与えられました。その後、伝道局の各部で奉仕することがゆるされた折々に、宣教の情熱をもってご奉仕される先生方の、その姿を通し言葉を通して貴重な教えをいただいてきました。豊かに教えられ、学びの多い日々でした。それが私にとってどれほどの宝になっているかとつくづく思います。
今日の日本宣教は難題ばかりです。牧師不足、教師の育成、受洗人数の減少、教会成長の課題など。伝道局は3つの部で、それらの課題といつも直面しています。だからこそそこには、地域教会の必要に答えるヒントもたくさんあります。伝道局は多忙で激務とも言えますが、奉仕することによって受ける主の恵みがあるのも確かです。
「初代教会に帰る」「初代教会にならう」。よく耳にする言葉です。使徒の働きを通して見えてくる教会の姿ということでしょう。しかし、時に思うのです。初代教会の何に帰るのだろうか、初代教会の何にならうのだろうかと。初代教会には色々な面があります。ましてや何の問題もない素晴らしいモデルチャーチばかりではありません。むしろ、パウロの手紙には、様々な問題が赤裸々に語られています。また、その教会設立にあたっては、宣教すればするほど命を取られるほどの迫害にパウロたちはしばしば遭いました。しかし、アンティオキア教会はパウロたちを新しい宣教地へ派遣し続けました。もちろん、派遣する教会にパウロたちの働きは、いまだ必要なのです。それでも、パウロたちを派遣し続け、多くの人が信じました。しかし、多くの人が信じたそのすぐそばで、いつものようにパウロたちは迫害されました。それでも「福音の宣教を続けた」のです。その継続が、今日に通じています。
今日の日本宣教も働き人を祈りのうちに派遣し続け、「福音の宣教を継続する」ことが、初代教会にならう一歩であろうと思います。どんな困難があっても、新しい人に伝えるために、新しい場所に派遣し派遣され「福音の宣教を継続する」のです。そのために、伝道局は働いています。皆で主イエスのご愛と使徒たちの情熱と共に、忍耐深く労したいと思います。
「そこで福音の宣教を続けた。」(使徒の働き14章7節)

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