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日本同盟基督教団 教団事務所 

大切なことを見分けるために 伝道局長 三浦陽子

大切なことを見分けるために
伝道局長 三浦陽子(安中聖書教会牧師)

「私はこう祈っています。あなたがたの愛が、知識とあらゆる識別力によって、いよいよ豊かになり、あなたがたが、大切なことを見分けることができますように。こうしてあなたがたが、キリストの日に備えて、純真で非難されるところのない者となり、イエス・キリストによって与えられる義の実に満たされて、神の栄光と誉れが現されますように。」(ピリピ1章9〜11節)
パウロのヨーロッパ伝道の最初の町、ピリピ。パウロはこの伝道の結果、投獄されます。しかし、投獄されてもパウロとピリピ教会の関係は緊密で、手紙を送ります。その手紙の最初にピリピの教会の愛が、豊かになるためのとりなしの祈りがあります。パウロは、キリストの日、再臨の日に小さなピリピの教会が、主の前に立つことを具体的に思い描きながら、兄弟姉妹のために祈っています。パウロとピリピ教会は愛し合っているのに、いよいよ愛が豊かになるために祈るのです。しかしそれは、兄弟姉妹が知識と識別力を得て、大切なことを見分けるためです。主にあって大切なことを見分けるための祈りは、今日の私たちにも必要な祈りです。私たちは、今、情報が過多で早い処理能力が問われています。その時に、何が大切なことか見分けなければなりません。また、時代の変化が大きい中にあっても、大切なことは、失ってはならないのです。
5月10〜11日に、3年ぶりに対面での特別会議がお茶の水クリスチャンセンターで開かれました。特別会議とは各部長委員長及び理事たちの会議です。今回の出席者は総勢31人で、35歳から64歳までの平均年齢52・3歳の会議でした(若い?!)。メインテーマは、「私たちのこれから―福音宣教・教師育成―◆福音宣教 国内・国外宣教の課題と展望〜国内宣教・国外宣教の教団的位置づけと状況を踏まえた上で今後の教団宣教のあり方〜、◆教師育成 日本同盟基督教団の教師像についての発題と意見交換」でした。私は、国内宣教のセッションで発題をしました。テーマは、「これからの国内宣教―どのようにかが問われる今」としました。「宣教協力」理念にある教団創立の経緯から共有している「フランソン精神」から「主イエス・キリストの再臨を待ち望む、緊迫感のある宣教」を踏まえた上で、今日の国内宣教の課題とそれを乗り越える方向性と方法論を展開しました。
今、「これから」を考える時、「どのようにか」が問われます。それは、まさに「私たち一人ひとり」を尊重し「宣教の可能性の枠を広げる」ことです。人は「適材適所」で真に主の前で用いられます。また、「互いに愛し合いなさい」との、主イエスのみことばを新しく聴くことによって生まれる「助け合う視点での宣教協力」も視野に入れました。さらには、経験豊かな教師たちは同盟基督教団の「財産である」ことの確認もしました。そして、専門性を重んじつつも「セパレートではなく共存・共生」の意識を強くして、宣教協力をします。それは、あらゆる民族への宣教、世界宣教に通じる宣教になると信じます。
その歩みにあっても、各教会、個人においても大切なことを見分けるために、謙遜に主の前での知識、あらゆる識別力を得る研鑽を積みたいと思います。私たちは、再臨の主にお会いすることを楽しみにしつつ、待ち望みつつ、いつ主がおいでくださっても良いように、宣教を推し進め、福音を日本に満たすために、1人でも多くの人が主に立ち返るために、主にあって大切なことを見分け、失うことなく、主の宣教の使命を果たしたいと思います。この見分けるべき大切なことは、神のみこころです。

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