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日本同盟基督教団 教団事務所 

社会厚生部 現在のウクライナにおけるプロテスタント教会の一例

現在のウクライナにおけるプロテスタント教会の一例

社会厚生部部長 佐野泰道(霞ヶ関キリスト教会牧師)

私は社会厚生部からの派遣として、JEA援助協力委員会に出席しています。
この誌面では、同委員会で交わりのあるハンガーゼロの近藤高史氏にインタビューさせていただき、近藤氏の情報ソースの中から、最近のウクライナにおけるプロテスタント教会の様子をお伝えしようと思います。
ウクライナの宗教は一般的に正教会とされていますが、2022年の調査によればプロテスタント教会も2%あります。
ハンガーゼロでは、長期スタッフをウクライナ西部のリヴィウに派遣して支援活動をしています。
主な活動の1つは、厳しい生活を強いられている町に様々な物資を届けることです。食料や衣類や発電機など必要とされるものを、ハリコフ、キーウ、オデーサ、ヘルソンに時には10時間以上かけてトラックで届けています。
また、もう1つの活動として慰問があります。学校や病院をはじめ、この夏は教会が主催するサマーキャンプにも出かけました。戦いが続く中ではあっても、現地のプロテスタント教会はサマーキャンプを開催し、40〜50名の子どもたちが集まるそうです。
子どもたちは普段、制限された中に置かれているので、キャンプではスポーツやゲームをして楽しむことでストレスを和らげ、福音を語って希望と慰めを届けています。

私はお話を伺いながら、このような状況下でも、プロテスタント教会が積極的に福音を伝えていることを知り、大変驚かされたと共に、チャレンジが与えられたように思いました。
またウクライナには、オデーサで開拓伝道をしている船越真人宣教師ご一家(ホーリートリニティ教会)がおられ、近藤氏は頻繁に連絡を受けています。
船越宣教師たちは、ホープ・プロジェクトという働きを通して人々に希望を届けています。たとえば、オデーサやヘルソンなどの人々に物資を届けたり、精神的な傷を負った兵士たちのケアをしたり、近隣の子どもたちのケアをしています。教会の礼拝は毎週日曜日に行われており、80〜100人のウクライナの人が集まります。戦争が始まる前よりも、礼拝出席者は増えているそうです。5月末には洗礼式も行われ、4名が洗礼を受けました。大勢の人々が福音の希望を求めており、その必要を満たすためにプロテスタント教会が「地の塩」「世の光」として懸命に働いています(マタイ5章13節、14節)。近藤氏は船越宣教師をはじめ、働き人たちの心身が支えられるよう祈って欲しいと言っておられました。
ハンガーゼロでは、発電機を始め様々なものをウクライナ国内に届けていますが、その役割を果たすためにグローバルエンパワーメントミッション(GEM)と提携しています。GEMは倉庫のミッションというべき大切な役割を果たしています。海外から送られる物資や、寄付金を用いて現地で購入した物資をGEMの倉庫に保管し、現地で活動するNGOや教会が必要に応じてGEMに取りに行くという流れです。
ウクライナとロシアの上に、主の平和が実現することを祈りつつ、現地のキリスト者たちのためにも祈りましょう。

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