日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

神のことばは生きていて、力があり 理事長 朝岡勝

神のことばは生きていて、力があり
理事長 朝岡勝(市原平安教会牧師)

新しい主の年2024年を迎えました。日本同盟基督教団の諸教会と、主にある兄弟姉妹おひとり一人のこの年の歩みの上に、主の豊かな祝福がありますようにお祈りいたします。

1 私たちの聖書信仰
私たち日本同盟基督教団の信仰告白の第1項は聖書についての告白です。「旧・新約聖書66巻は、すべて神の霊感によって記された誤りのない神のことばであって、神の救いのご計画の全体を啓示し、救い主イエス・キリストを顕し、救いの道を教える信仰と生活の唯一絶対の規範である」。ここには短い表現の中に聖書のダイナミックな性格が言い表されています。
第1に「神の救いのご計画の全体を啓示し」ているという性格です。聖書は旧約聖書の創世記からはじまり、新約聖書のヨハネの黙示録に至るまで、この世界を創造し、今も摂理の御手をもって導いておられる、三位一体の生ける神の「はじめ」から「終わり」への救いのご計画の全体が、余すところなく語られています。第2に「救い主イエス・キリストを顕し」ているという性格です。神の救いのご計画の中心におられるのは、御子イエス・キリストです。そして聖書は「イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため」、「信じて、イエスの名によっていのちを得るため」(ヨハネ20章31節)に書かれたのです。そして第3に「信仰と生活の唯一絶対の規範である」という性格です。「信仰だけ」、「生活だけ」でなく「信仰と生活」の全体に対して、「いくつかある中の一つ」でなく「唯一絶対」の、そして「努力目標」や「心がけ」でなく「規範」であるというのです。

2 読まれてこその聖書、説かれてこその聖書
このような聖書のダイナミックな性格は、ただ聖書という書物を恭しく取り扱う、ということによっては見えてきません。「神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄を分けるまでに刺し貫き、心の思いやはかりごとを見分けることができます」(ヘブル4章12節)と言われるとおり、神のことばの生きて働く力は、実際に聖書が開かれ、読まれ、説かれ、聴かれ、信じられ、生きられるときに発揮されるものです。
今年も朝ごとに、夕ごとに聖書に親しむ1年を送りたいと願いますし、毎主日に語られるみことばの説教に聴き、みことばに生きる私たちでありたいと願うのです。こうして実際に聖書を読み、説教を聴き、みことばに従って生きる信仰の営みの総体が、私たちの「聖書信仰」の内実にほかならないのです。

3 神のことばの説教の祝福を求めて
とりわけ礼拝における神のことばの説教と説教者の祝福を求めて祈りたいと思います。ウェストミンスター大教理問答の第159問は、神のみことばがどのように説教されなければならないかと問い、こう答えます。
「時が良くても悪くても、熱心に。心を引きつける人間の知恵の言葉によらず、御霊と力との立証によって、わかりやすく。神の御意向の全体を知らせて、忠実に。聞く人たちの必要と能力に合わせて、賢明に。神と神の民の魂への燃えるような愛をもって、熱烈に。神の栄光と、神の民の回心と教化と救いを目指して、誠実に」(袴田康裕訳、教文館、2021年)。
また第160問は、みことばの説教を聞く者に求められているものは何かと問い、こう答えます。「注意深さと準備と祈りをもってそれを傾聴すること。聞いたことを聖書によって調べること。真理を神の言葉として、信仰・愛・従順・素直さをもって受け入れること。御言葉の説教を瞑想し、それについて話し合うこと。それを心に蓄えること。そして、生活の中でその実を結ばせることです」(同)。
いずれも繰り返し心に留めたい教えです。そしてこの年、同盟基督教団に連なる諸教会の礼拝において、また信徒おひとり一人の日々において、みことばの生活が充実していくならば、コロナ禍によって傷んだ教会は必ずいのちを取り戻し、福音宣教への力が増していくと確信しています。

Print Friendly, PDF & Email