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待っている 青少年局長・バイブルキャンプ局局長 山本陽一郎

待っている

青少年局長・バイブルキャンプ局局長 山本陽一郎(多治見中央キリスト教会牧師)

「わたしはそこでも福音を伝えよう。」マルコ1章38節

現代の日本社会では生きづらさを感じている人が少なくありません。実際にいくつもの調査で、約2人に1人が「生きづらい」と答えているという結果が出ています。
その要因の1つは人間関係でしょう。ある調査によると、「人間関係をリセットした/したい人がいる」と答えた人は、全体では37%に達し、女性は4割を超えました。具体的な理由として、親や友人・知人との関係性では「面倒」「疲れた」「価値観のずれ」「煩わしさ」など、また、職場の人については「雰囲気が悪い」「パワハラ」「人を見下した態度に嫌気がさした」といったことが上位に挙がっています(クロス・マーケティング、2023年「人間関係に関する調査」)。
一方、国の調査によると、約4割の人が「孤独感がある」と回答(内閣府、2024年「人々のつながりに関する基礎調査」)。その割合は、ここ数年で大きな差異が出ていません。
孤独だ。居場所がない。自分に関心を寄せてほしい。でも、煩わしさは避けたい…。そんなさまざまな思いを抱えながら、今日もこの社会で多くの人が生きているのです。

時を遡ること2千年。ガリラヤ湖に面したゲラサ人の地にも、生きづらさの極みの中にいた人がいました。彼は、悪霊につかれ、自分自身をコントロールできず、墓場に住みついていました。聖書にこう記されています。
「彼はイエスを見ると叫び声をあげ、御前にひれ伏して大声で言った。『いと高き神の子イエスよ、私とあなたに何の関係があるのですか。お願いです。私を苦しめないでください。』それは、イエスが汚れた霊に、この人から出て行くように命じられたからであった。汚れた霊はこの人を何回も捕らえていた。それで彼は鎖と足かせでつながれて監視されていたが、それらを断ち切っては、悪霊によって荒野に駆り立てられていた。」(ルカ8章28、29節)
墓場に住みつき、鎖や足かせを引きちぎり、自分の身体を傷つけ、荒野に出て行って叫び声を上げている…。一見すると、現代に生きる私たちとは全く関係ない人のようです。しかし、その社会の中で人々は、まるで鎖と足かせでつながれ、監視されているように思えるほど、人と関わることに疲労困憊(ひろうこんぱい)している。そして、実際に墓場や荒野へ行くことはなくても、人との関わりを拒み、いろいろなかたちでそこから逃避しようとする。もしそうであるなら、現代に生きる人々も、この人と違うとは言い切れないように思うのです。

私自身も本当に心が疲れることはありますし、それが身体に出ます。責任を抱え、難しい課題に向き合う中で、がんじがらめになってしまっていると感じることもあります。そんな時、思い出すのです。この墓場にいた人のことを。そして、この人に会うため来てくださったイエス・キリストを。
イエスさまは湖を渡って彼に会いに来てくださいました。自分ではどうすることもできずにいた彼と向き合い、愛し、解放してくださるために、イエスさまのほうから来てくださったのです。
私たちも主に祈る時、みことばに触れられる時、心を回復することができます。イエスさまのもとに帰る時、愛されている者としての生き方を回復することができるのです。
私たち日本同盟基督教団にはさまざまな活動、部や委員会、キャンプなどがあります。それらはすべて、福音を届け、福音に生かされるために行われていると言えるでしょう。変化の大きな時代の中で、祈りと力を合わせて働きに励みたいと願います。今日も福音を待っている人たちが大勢いるのですから。

 

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