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日本同盟基督教団 教団事務所 

神のかたちである新しい人として 理事長 廣瀬薫

神のかたちである新しい人として
理事長 廣瀬薫

「また、あなたがたが霊と心において新しくされ続け、真理に基づく義と聖をもって、神にかたどり造られた新しい人を着ることでした」(エペソ4章23〜24節)

昨年11月には東京ドームで持たれた「教皇ミサ」(5万人出席)にキリスト教会枠の招待を受け、最前方で陪席して会場の興奮を体感しました。同日夜出席した「国会クリスマス晩餐会」でも、翌週出席した賀川豊彦関連の「世界連邦運動」日本国会委員会創立70周年式典でも、東京都宗教連盟理事会(諸宗教5団体で構成)でも、発言する人がほぼ例外無く(プロテスタントも各党国会議員も他宗教代表者も)、教皇の発言に言及していました。驚くべき影響力です。38年前に初めて教皇が来日し、長崎で「戦争は人間の仕業」と述べ、当時迫害と被爆の痛みの歴史の中でアイデンティティーを模索していた信徒たちの思いを解放し、平和の証人へと強く動機付けたと言われます。その同じ地で、今回の発言はさらに踏み込みました。「核兵器のない世界は実現可能であり、必要不可欠である」と。
今回の教皇訪日のテーマは「すべてのいのちを守るため」でした。同盟基督教団では、2017年7月に「今日の政治状況に対する私たちの声明」を作成し、その中で「個々の政治課題への賛否には多様性があるとしても、総体がセットとして機能し、聖書が教える『人格』として創造された人間の尊さが侵されて行く状況が見られることに心を痛めています」と述べました。私たちもカトリックも、時代の状況認識には共通点があります。人が大切にされず、主のみこころ通りには生かされにくい時代の流れを感じています。そのような今、上記の声明は、「私たち日本同盟基督教団は、…神のみ旨と人間の尊厳を大切にする歩みをめざします」と思いを定めています。
人間が神さまからいただいたいのちをどのように生きるかを思う時、冒頭のみことばが心に響きます。クリスチャンは、ただ生きるのではなく、未信者とは質が違う「新しい人」を生きるのです。「新しい人」が目指すゴールは明瞭です。「神にかたどり造られた」本来の「神のかたち」です。その姿はクリスマスに来られた主イエス・キリストによってこの世界に示されました。私たちがその「新しい人」として生きるには、キリストの復活のいのちと同質の「新しいいのち」に生きるのです(ローマ6章4節)。その「新しい人」は、主によって日々「霊と心において新しくされ続け」ることを、年頭に改めて覚えます。残念ながら「体」は古くなって行きます。しかし「霊と心」は時の流れの中でますます新しくされ続けるのです。「霊」だけが新しくされるのではありません。「心」も新しくされ続けます。そのみめぐみをくださるのは神さまですが、「心」が新しくされるためには、私たち自身も思いを定めて、「心を新たにすることで、自分を変えていただきなさい」(ローマ12章2節)を実践する必要があります。12月はおもにクリスマス関連で16か所ご奉仕に伺い、若い時とは違う「体」の衰えを自覚しました。しかし「霊と心」は「新しくされ続けます」と約束されている「神のかたち」を生きているみめぐみに励まされます。そして、みめぐみに応えて自ら「心」を一新し続けるべき責任も自覚しています。皆さまも、多忙でみめぐみに満ちたクリスマスの季節を過ごして、新年を迎えられたことでしょう。どうか皆さまにとって「霊と心において新しくされ続け」る今年の歩みであるように、そして「神にかたどり造られた新しい人」の経験を深める日々であるように、同盟基督教団に関わる全てに主の祝福があふれますようにと、お祈りしています。

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