日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

「アドフォンテス」

「アドフォンテス」
理事・伝道局長 廣瀬 薫(派遣教師)

「時が満ち、神の国が近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1章15節)

新型コロナ禍は、私たちが当たり前だと思って行なって来た礼拝や交わりや宣教の「本質」は何かを考えさせる機会となりました。今まで通り行なうことが妨げられる時、形は変えても失われてはいけない大切な本質は何かを、教会は試行錯誤しながら求めています。それは私たちの「原点」を確認する時となっています。

まず「神の国」を第一に
教会の原点は「神の国」です。イエスさまが来臨をもって地上にもたらし、今も前進させ続けておられる、福音宣教の中心テーマです。日本人にこれが伝わりにくいのは、「神の国」を聖書とは全然違う意味で掲げて悲惨を招いた歴史があるからです。その先入観を除けば、「神の国」がどんなに喜ばしいかが伝わります。私は「神の国」を「全ての人が活かされて、共に喜んでいる、平和な世界」と表現しています。これで未信者にもキリスト者にも伝わる手応えを持っています。
今は多方面の必要があります。それを求めても得られないのであって、「まず神の国と神の義を」求めれば、「そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて」与えられるというのが、聖書の原理です(マタイ6章33節)。この基本を年初に肝に銘じたいと思います。

年初に「悔い改め」を
冒頭の聖句では、「神の国」に入ってイエスさまと共に生きるために、「悔い改め」と「信仰」が求められています。神さまは、人間にとって一番大切なことは、誰にでもできるようにしてくださっています。何かの行ないが求められるのならば、できる人とできない人が生じます。しかし「悔い改めと信仰」は誰にでもできます。特に「悔い改め」は、宗教改革においてルターが「95箇条の提題」の第一に、「イエス・キリストは信じる者たちの生涯のすべてが悔い改めであることを願った」と書いた通り、私たちの信仰の生涯を貫く不可欠の原点です。イエスさまの招きに応えて、悔い改めをもって年初に臨みたいと思います。

源泉である「フランソン精神」

「アドフォンテス」(源泉に返る)は、宗教改革の原理の1つです。危機の時や節目の時、私たちに大切なのは、本質や原点に立って姿勢を整えることです。これまで書いた他に、同盟基督教団には「フランソン精神」という、忘れてはならない源泉があります。それは4項目に整理されて、「宣教協力理念」に載っています。①犠牲を惜しまない宣教の姿勢、②未伝地に向かった救霊の情熱、③世界的な広い視野に立った宣教、④主イエス・キリストの再臨を待ち望む、緊迫感のある宣教。私たちには、神さまのみ恵みの豊かな「源泉」があることを感謝して、新年の歩みを進めて行きましょう。

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