日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

「あなたがたが、あの人たちに」

「あなたがたが、あの人たちに」

伝道部長 大瀧恵理也(小平聖書キリスト教会牧師)

「そこでイエスは、五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げ、それらのゆえに神をほめたたえてそれを裂き、群衆に配るように弟子たちにお与えになった。人々はみな、食べて満腹した。」(ルカ9章16〜17節)

日が傾き始めても、ご奉仕を終えられる兆しのないイエスさまのご様子に、十二弟子たちは心配になり始めました。集まっている群衆が、食べ物を手に入れるにしても村や里まで相当な距離でした。この数日間、弟子たちは、遣わされた宣教旅行で「足りないものはない」という経験をしたばかりです。ですから「備えてくださる神さまの導き」を待ち望み、祈ることもできたはずです。しかし、彼らは目の前の課題に不安と不満を抱えつつ、自分の考えつく解決を提案し始めたのです。「群衆を解散させてください」と(12節)。私たちも、負担の少ない方法をと、考えることがあるのではないでしょうか。
しかし、ここでイエスさまの 語られたのは「あなたがたが、あの人たちに食べる物をあげなさい」(13節)という、無謀とも聞こえるご提案でした。原文では「あなたがたが」という部分が強調されています。「解散」という弟子たちの提案を許可されず、気づいた目の前の課題に「あなたがたの果たすべきことがある」と言われたのです。しかも「自分の力でどうにかしなさい」という意味ではなく、直前の宣教旅行(9章1〜10節)で、パンも下着も泊めてくださる人をも備えてくださった神さまに、弟子たちが祈り求めることを期待されたのでしょう。そして、主は弟子たちの差し出した「5つのパンと二匹の魚」を用いて、5千人以上の人々を豊かに満たされたのです。イエスさまから受け取る恵みのパンを、汗を流しつつ人々に配った弟子たちの喜びはいかばかりであったでしょう。
神さまは、私たち教団に「1億2千万宣教」のスローガンを与え、国内すべての人に福音を届けるために、1977年より同盟基督教団未設置県に教会開拓をするよう導いてくださいました。主は、諸教会の皆さんの尊い「祈り」と、献げられた国内宣教献金」を用いて、新たな地に教会を生み出し、人を救い、神の国を広げ続けておられるのです。6月27日、16番目の教団レベル開拓教会、佐賀バイブルチャーチの開所式を迎えました。本当に主は素晴らしいお方です。思えば既存の教会も始めは開拓教会でした。手っ取り早い、負担の少ない方法ではありません。しかし、未伝地の方々に、福音を届ける拠点がまた1つ増えたのです。私たちの前には未伝地が地の果てまで広がっています。5千人よりも遥かに多い失われた方々を見つめながら、今日もイエスさまは「あなたがたの果たすべきことがある」と言われるでしょう。ぜひ神の国の福音宣教の前進のため、あなたもお祈りください。そして、お献げください。

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