「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。」(Ⅱテモテ4章2節a)
第76回教団総会が3月19日㈬〜20日㈭に行われます。教団総会は教憲第5条に定めるとおり、「本教団の意思を定める最上位の意思決定機関」です。この教団の意思を定めるための会議は、教憲、教規、総会議事運営規程の定めに基づき運営されます。機構改革を経て、教憲、教規,規程、細則が整えられ、秩序にのっとった会議が行われるようになりましたが、正しい会議運営をすることが目的ではありません。教団の最上位の意思決定機関で決することになる意思が何であるかが本質的に重要です。
私たちの教団が持つ意思とは何でしょうか。教憲第2条に「本教団は、教憲、教規に従って教会が協力し宣教の使命を果たす」と定めているとおり、教会が協力して宣教の使命を果たすための意思であること絶えず念頭に置く必要があります。
教団総会を迎えるにあたって、パウロがテモテに書き送った言葉を思い巡らしています。みことばを宣べ伝える宣教の使命に生きる私たちの教団に対する神の語りかけとして聴きたいと思います。「時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。」この「しっかりやる」ということを特に心に留めたいと思います。
元のことばの辞書的意味を調べてみると、「気を配る、注意深く配慮する」「準備が整った状態で待機する」「なすべきことに意識を固定する」「目標に意識を定め、気を散らさない」などの意味範囲をもったことばです。「教え、責め、戒め、勧める」ことを、忍耐をもって、継続的に、注意深く、慎みをもって、果たすように命じられている文脈で、「しっかりやる」というのは大切な姿勢を示していると思います。物事を確実に行う、きちんと、きっちり、堅実に、丁寧に、一生懸命にという向き合い方が示されていると思うのです。
「しっかりやる」というのは、単に頑張るという精神論ではなく、継続的に、忍耐強く成し遂げるために、目標に対して集中し、方向性を明確にし、細部に目を配り、事態を的確に把握し、状況に応じて柔軟に、適切な判断を重ね、着実に邁(まい)進していく姿勢を表すものです。
「教会が協力し宣教の使命を果たす」ための意思が、教団総会の議案として提出されています。前年度事業報告、決算報告、新年度の事業計画および予算案審議が扱われます。新たな開拓伝道も国外宣教師の派遣も、バックアップ体制が「しっかり」しなければ継続できません。時代の変化に応じて宣教の方略を見直すこと、方針を調整すること、牧師の生活や社会厚生に心配ること、次世代育成や教会教育の工夫を重ねること、キャンプ場の運営やメンテナンスをすること、ハラスメント対策や啓発をすること、教会と国家の関係を考えて適切に発信すること、これらの事柄はすべて福音宣教の使命を果たし続けるために必要な「しっかりやる」営みであることを覚えたいのです。
今回の教団総会では、この他、教規および法人規則の変更、教師職務規程の変更、教師戒規規程の変更が扱われます。教規、規程、規則の変更に当たっては、教憲教規委員会の研究・検討と理事会との合議、さらに秋の研修会での合議を経て、今総会に変更の提案をしています。いずれの内容も宣教協力を「きっちり・キチンと・確実に」遂行していくための変更案です。その他、教団総主事人事、教会の設立・加入、教師の按手・准允・加入、次期総会議長・副議長選出、そして法人責任役員の選出を扱います。いずれも「しっかりやる」ための決議であることを改めて意識したいと思います。宣教の使命を「しっかり」果たすための意思決定をすることができるよう、教団総会のためにお祈りください。