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日本同盟基督教団 教団事務所 

人格尊厳委員会「ハラスメントの境目」④「裁量の範囲」

人格尊厳委員会「ハラスメントの境目」④「裁量の範囲」
人格尊厳委員 大杉至(伊那聖書教会牧師)

 

裁量の範囲を逸脱した行為は、不当な不利益や精神的苦痛を与え、ハラスメントになる可能性があるので注意が必要です。ハラスメント対策のために、裁量の範囲を確認したいものです。
教会の働きには、牧師の裁量で行うものがあります。牧師の働きは牧師職への召しと専門性に委託されたものですから、まずはそこまでが裁量の範囲と考えられます。また教規や教会規則において教会総会や役員会の議を要すると定めてあるものについては、正しく手続きを踏む必要があります。牧師の裁量の範囲は無制限ではありません。
ではたとえば、会堂建築に関する牧師の裁量の範囲はどうでしょうか。仮に牧師自身が会堂建築の専門家だとしても、牧師職としては裁量の範囲を超えたものです。教規はどのように定めているでしょうか。教規には会堂建築そのものに関する定めはありませんが、会堂は教会財産に含まれます。教規には教会財産の管理に関する事項は、教会総会において(第52条)、および役員会において(第57条)処理すべき事項として定められています。また教会担任教師は「教会財産に関する事項の事務を掌る」と定められています(教規第104条)。これらのことを踏まえると、会堂建築の事務を管理することについて、教会総会や役員会の承認を得たものに関しては、牧師の裁量の範囲と考えられます。一方、牧師が教会総会や役員会の承認を得ずに独断で図面を決めてしまったり、独断で業者を決めてしまったりするならば、裁量の範囲を超えた不当な行為としてハラスメントとされる可能性があります。たとえ教会の意見がまとまらないことに耐えかねてしてしまったとしても、あるいは好意からしてしまったとしてもです。
会堂建築のように教会員の利益に大きく関与するものは、教会員の意見をよく聞き、協調的に進めていくべきです。
牧師の裁量の範囲について、また役員の裁量や会計担当者の裁量の範囲について、一度役員会や教会の皆さんで話し合ってみてはいかがでしょうか。