日本とアジアと世界に仕える Japan Alliance Christ Church
日本同盟基督教団 教団事務所 

ローザンヌ運動―全教会が全福音を全世界に

ローザンヌ運動―全教会が全福音を全世界に
東京基督教大学特任教授 ローザンヌ日本委員会 委員長
倉沢正則(沼南キリスト教会牧師)

ローザンヌ運動と私との関わりは、キリスト者学生会の事務所でのジョン・ストット師との出会いでした。「第一回日本伝道会議」(1974年)の主講師として来られた折に立ち寄られ、学生の私も主事たちの中に混じって歓談する中で、同年にスイス・ローザンヌで開催される「世界宣教会議」のことが話題に上ったのです。1970年前後で、聖書信仰に立つ福音派の台頭が世界大であり、主流派教会の社会改革的な宣教理解に対する危惧と聖書的な宣教観を構築する必要が叫ばれていました。米国のビリー・グラハム師と英国のストット師らが、「第一回世界宣教会議」を開催して聖書信仰に立つ宣教観と宣教協力の基盤を据えたのです。これが聖書的エキュメニズム(歴史的信仰の確認と保持、宣教への使命と結束)と宣教協力を促すローザンヌ運動となりました。日本からは、当時の日本福音同盟(JEA)を代表する私たち教団の安藤仲市師(教団から他に、木下弘人師、岡村又男師、丹羽喬師、朝岡茂師、吉持章師等)をはじめ主要な福音的な教団の指導者たち(60名程)がこれに参加し、日本の福音派の結束を高め、諸教会の交流と宣教協力への跳躍台となったのです。
ローザンヌ運動の実である「ローザンヌ誓約」(1974年)「マニラ宣言」(1989年)「ケープタウン決意表明」(2010年)の文書は、福音派の宣教理解を広げ、伝道のみならず人々の具体的な必要にも応える福音の包括的なミニストリーをもたらしました。教団の「宣教協力理念」(2004年)はローザンヌ宣教理解の反映でもあります。そのような中で、東日本大震災(2011年)に遭遇し、人々の物心両面の必要に応えて「東北宣教プロジェクト」が教団に立ち上がり、教師家族の派遣となりました。
ローザンヌ運動は、主イエスの世界宣教命令に信仰をもって主体的に応えようとする教職や信徒を個人的につなぎ、情報を共有し、祈り協働する運動体です。日本の教会や信徒に、「あらゆる人々にあらゆるレベルで」福音を表す働き(貧困飢餓、環境保全、ワークプレイス、ディアスポラ、様々な福祉等)を知らせ、そこに関わる働きへの示唆や呼びかけを取り次ぐ「ハブ」と言えるでしょう。世界で働かれている主のみわざに目を向けて、置かれている所で、その召しと使命に生かされたいのです。一度「ローザンヌ運動」を検索して見てください。

※世界宣教のビジョンを深めるために、ローザンヌ運動についてもっと知る必要があると委員会では考え、今回倉沢正則先生に執筆を依頼しました。(国外宣教委員会)

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