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「ほかの人があなたに帯をして、望まないところに」バイブルキャンプ局 青少年局局長 加藤一也

「ほかの人があなたに帯をして、望まないところに」

バイブルキャンプ局 青少年局局長
加藤一也(豊橋ホサナキリスト教会牧師)

「まことに、まことに、あなたに言います。あなたは若いときには、自分で帯をして、自分の望むところを歩きました。しかし年をとると、あなたは両手を伸ばし、ほかの人があなたに帯をして、望まないところに連れて行きます。」(ヨハネ21章18節)

これまでの歩みを振り返ってみると、思い描いていなかった献身の道に導かれたこと。住み慣れた東京を離れ豊橋へ遣わされたこと。生涯ナンバー2の立場でいることを願っていたにもかかわらず主任牧師となったこと。個人的な感覚としては自分の思いとは裏腹に、ほかの人が私に帯をして、望まないところに連れて行く…。そしてこのたびの理事選出は、特にそのような思いを深くするものでした。
というのも、理事の働きは現場の視点のみならず、教団全体を俯瞰(ふかん)し判断する広い視野が求められるはずです。常々、私にはその視点が決定的に不足している自覚がありましたので、理事になることは到底考えられませんでした。加えて、私が担任している教会は、いくつかの新しいミニストリーが始まり、10年、20年後を見据えた教会形成や信徒教育、次世代育成、信仰継承、新会堂建設など、取り組むべきことが山ほどあります。この春にHBC委員長の務めを終え、年齢的にも気力、知力、体力が支えられている今、全エネルギーを牧会に集約できると思った矢先・・・人生とはなかなか予定通りには進まないものだと思わされます。
しかし、冒頭のみことばを黙想する中で、主に従う歩みについて改めて考えさせられました。献身とは、自分が願い、納得できる道を選び取ることだけではなく、主が示される道を信頼して受け取っていくことでもある。ペテロに語られた主のみことばは、そのことを私に静かに問いかけるものでした。これまで教団をけん引してこられた先輩教師たちも、時に自らの思いや願いを脇に置き「ただ主のみこころのままに」と、想定外の場所に導かれながらも、主の御手に委ねて仕えてこられたことでしょう。そのような献身と信仰の積み重ねの上に、130年を超える教団の宣教の歩みが導かれてきたのだと思い至りました。そうであるならば、私自身も、与えられた状況の中で、自分の願いや計画、また能力不足を言い訳にするのではなく、導かれたこの場所で主のみこころを探りつつ仕えていくことが、献身者としてふさわしい姿勢だと心を新たにさせられました。
とはいえ、教団全体の歩みを十分に理解し、諸教会の課題を広く受け止めていくために、学ばなければならないことが多くあります。しかし、自教会が将来に向けた教会形成に真剣に向き合っている今だからこそ、見えてくるものもあります。それは、諸教会もそれぞれの場所で重荷を負い、次世代への信仰継承に悩みつつ試行錯誤し、地域宣教のために祈り、涙とともに種をまいておられる姿です。開拓教会の歩みも、未自給教会の奮闘も、それぞれの地域で宣教を担う諸教会の課題も、そこに仕える牧師、牧師家族、信徒の皆さまの祈りと忍耐と誠実な労苦も、決して他人事とは思えません。置かれた場所は違っても、同じ主に仕え、同じ福音に生かされ、同じ宣教の使命を担っている諸教会の祈りは、私自身の祈りとも重なります。
そう考える時、三本柱の1つである「宣教協力」の尊さは、単なる財政的支援や制度上のネットワークにとどまるものではないのでしょう。主から託された有形無形の賜物を互いに分かち合い、必要の中にある教会を祈りと具体的な支えによって励まし合い、同じキリストのからだとして犠牲を惜しまずに宣教の重荷を共に担う歩みです。支える側に立つ教会も、支えを受ける側に立つ教会も、それぞれに主から与えられた尊い持ち分があります。主から託されたものを分かち合いながら共に歩むところに、同盟基督教団らしい宣教協力の交わりが形づくられていくのだと思います。
主の導きに信頼し、諸教会の皆さまと共に、宣教のわざに励んでまいりたいと願っています。

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